「無形サービスの見える化」がWebディレクターの役割?サーバー設定の注意点
はじめに
全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。
Webサイト制作の総指揮官であるWebディレクターの仕事において、苦労することが多いのが「サーバー設定」に関する業務ではないでしょうか。システム開発を主とするエンジニアの領域は、Webディレクターにとっては“本職外”ではあるものの、顧客とエンジニアの間に入ってコミュニケーションを取ることが常に求められます。特に顧客への説明には多くの神経を使うことになるでしょう。
なぜなら、サーバー設定は「無形サービス」だからです。無形とはサービス内容・工程・違いの実態が見えにくいことを指します。サーバー設定は無形ゆえにトラブルが起こりやすく、かつ顧客理解を得るのが難しいため、共通認識を持ちづらいと考えられています。
ではWebディレクターがサーバー設定を行う際にどんなことを心がけるべきなのでしょうか。ヒントは、「目に見えない無形サービスだからこその見える化」の意識です。
◆Webディレクターはサーバー設定のリスクやコストの「言語化」を意識
Webサイト制作は、カタチのあるプロダクトを提供する有形商材ではなく、カタチのない無形サービスを作り上げるのが役割となります。その中でももっとも顧客理解を得にくいのがサーバー周りの話です。その理由としては、無形サービスの中でももっとも見えにくく、トラブルのリスクや作業・対応のコストがブラックボックス化しやすい点が挙げられます。
Webサイトという無形サービスを構築する一部であるテキストやデザインは、内容やビジュアルを顧客に確認してもらうことは可能です。一方でサーバー設定については、顧客視点で考えると触れることも、目で見ることもできない領域と言えます。しかも、専門用語が多いため、システム開発にくわしい方でないと内容を正確に理解してもらえないのが顧客対応における現状です。
だからこそ、目に見えずにブラックボックス化しやすいサーバー設定からこそ、見える化を意識することが求められます。具体的には、リスクやコストの事情を言語化することです。言語化は基本的に具体的な内容が望まれますが、難しいサーバー領域に関しては抽象的な内容でも問題ないケースもあります。専門用語を使わない形でスタンスやポリシーを言語化して共有し、しっかりと共通認識を持つことが第一だと言えるでしょう。
◆どんなに綿密に対策してもサーバートラブルは起こるもの
Webサイト制作全般においても、躓いたり、顧客理解が得にくかったりするサーバー設定。実際にトラブルが発生する割合も他の領域と比べて高いと言えるでしょう。たとえば、ドメインが同じでサーバーだけ変えた場合、タイムラグの発生などに注意が必要です。移行に伴い、数時間~48時間程度のタイムラグが起こり得ることは、顧客に説明して事前に納得してもらうなどの根回しが求められます。
また、ロードバランサ―が必要など、大きいサーバー構成が必要になる時は、顧客の知見もある程度必要になってきます。「よりコストをかけると負荷分散ができる」などの説明や提案ができていれば、トラブルに発展するリスクを最小限に抑えられるでしょう。すべての内容ではないにしろ、サーバー設定におけるリスクやコストの大枠をあらかじめ理解しておいてもらうことが大切です。
顧客視点で考えると少しコストがかさんだとしても、のちにトラブルに発展しないことを優先するケースも多いと言えます。手間やお金がかかったとしてもリスクヘッジに努めたいというのは、顧客の本望でしょう。たとえば、ECサイトは5~10分でもサーバーがダウンするだけでも、売上が大幅に下落します。目先のことではなく、顧客の先々の運用を踏まえた提案がWebディレクターには求められるのです。
◆事前共有の有無で結果は「雲泥の差」になる
前述のように、顧客に対してとことん情報共有をして、説明をしたとしてもサーバートラブルが起こる時は起こるものです。難しい分野だからこそ、「説明してもきっと分からないだろう」ではなく、「分かるまで情報を見える化して、嚙み砕いたうえで説明すること」が求められます。
仮に難しい内容のため、すべてを理解してもらえなかったとしても、事前共有や合意形成をしているか否かで、トラブルが起きた際の結果はそれこそ雲泥の差となります。そのため、説明や情報共有の際は徹底した顧客視点に立つことが大切です。
特にエンジニア界隈の人しか分からない技術職の視点を押しつけるのはご法度。顧客が求める理解範囲を認識し、サーバー設定という無形サービスの代表格をきちんと見える化して提案することを心がけましょう。
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