
Webディレクターがライターに求める「顧客理解」!人柄や雰囲気を文章で表現
はじめに
全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。
【執筆クリエイター】
Webディレクター、コンテンツディレクター
山田 尚史
顧客からの「ありがとう」獲得数に定評があるWebディレクター。サービスやビジネスを深く理解をするためにも、顧客の懐に潜り込むスタイルのディレクションを得意とする。東証グロース上場のIT企業勤務時は300社以上のディレクションに関わった経歴を持つ。企業ブランディング支援の経験を持ち、ブランドプランナーの講師として登壇歴もある。また、コンテンツディレクターとしてメディア運用の責任者も歴任。メディアの構築やコンテンツ企画、反響分析にも従事した。
Googleなどの検索窓にキーワードを入れると、クローラーがインターネット上の文章を照会し、検索内容に最適だと思われるWebサイトを表示しますよね。つまり、Webサイトの内容の文章が適切な日本語で書かれていることは大前提であり、検索ニーズにおいても文章の精度が重要な意味を持つのです。それだけに、Webディレクターからライターへの依頼は的確かつ、顧客理解がしやすい内容であるべきだと言えます。
おすすめは、ライティング依頼書によって文字ベースで内容を伝えることに加え、口頭ベースでも認識のすり合わせを行うことです。Webディレクターとしては、ライターに対して「どう伝えたかではなく、どう伝わったか」を意識したコミュニケーションを取ることが不可欠だと言えるでしょう。
◆自己解釈で共有する顧客情報を取捨選択しない
ライターへの依頼だけではありませんが、自分はWebディレクターとして制作に際して「指示」ではなく、「情報の共有」をすることを意識しています。ライターに対応してほしいことを指示書にまとめるのももちろん重要ですが、「なぜこの情報をWebサイト上に文章として掲載したいのか」という理由を明確にしたうえで伝えることを徹底しています。
たとえば、顧客の創業以来の成り立ちなどビジネスのバックボーンなどもそうです。顧客理解が深まる情報を共有すると、ライター側もより顧客情報に根ざしたライティングの提案をしてくれることもあります。「素晴らしい伝統と歴史がある会社だから会社概要でアピールしたほうがいい」「沿革のところをストーリー性のある見せ方にしたい」など、顧客の良さをどう表現するか真剣に考えてくれるようになるかもしれません。
その他にライターへのポイントとして挙げられるのは、顧客情報を自身で取捨選択することなく、気になる情報を共有して必要かどうかを判断してもらうことです。自分は顧客と直接打ち合わせをしたうえで、ライターに情報共有をしています。一方のライターは顧客と直接話さないケースも少なくありません。ライティングのための材料が「自分の伝える情報だけ」というケースも珍しくないので、主観を織り交ぜずに情報として伝えることを意識しています。それをライターに客観的に必要か否かを判断してもらうスタイルです。
◆キャッチコピーなどのクリエイティブの顧客提案の仕方

Webサイトの制作はページごとに書いてほしい要件に関しては、細かに情報共有します。しかし、製品やサービスのキャッチコピーや企業のタグラインなど、クリエイティブ要素が強い内容はライターの裁量に任せることが多いですね。キャッチコピーなどは何パターンか作ってくれることが多いので、その中でも目的に合っていて、商材を的確に捉えている案を中心に顧客に提案しています。ここら辺はWebディレクターとしての直感を頼りにしている面もあります。
たとえば、案が3つあるとしたら、顧客に対してはおすすめ度を踏まえて提案するのが自分のやり方です。3つの案を同列にして「どれがいいですか?選んでください」というやり方だと、顧客が困ってしまうこともあります。「プロに頼んでいるんだからプロが決めてよ」と言われてしまう恐れもあるので、ライターの客観的なコピーに対して、Webディレクターとしての主観を交えた提案にするのが鉄則です。
「こういう理由でこの案をおすすめしますが、念のため他にも候補案を作っています」という提案の仕方を嫌がる顧客はいないでしょう。また、複数パターンを情報の優劣をつけて提案することで、「確かにおすすめの案が一番だけど、他の案の要素を含めて再考してくれないか?」などの折衷案作成のお願いがくることがあります。それは先方がより具体的なイメージに近づいていることを意味するので、提案の場でも顧客の希望を探りながらコミュニケーションを取ることを心がけています。
◆顧客の人柄や企業特性に合った文体・雰囲気を重視

自分はライターのクリエイティブを重視するタイプのWebディレクターなので、修正の依頼を出すケースはそんなに多くないと思います。しかし、ページごとに伝えたいことがズレていたり、ターゲットとする性別・年代が異なっていたりする場合は、もちろん再度すり合わせをします。「ページで伝えたい意図」を説明したうえで、「こう直してほしい」という意識と目的のすり合わせは不可欠ですね。どうして認識のズレが起きたのかを納得・理解してもらうためのすり合わせは、Webディレクターとライター間ではかなり重要です。
後は対ライターにおいて意識していたことは、文体をユーザーターゲットの属性に合わせること。分かりやすい例としては歯科医院のサイト制作が挙げられます。歯科医院はコンビニよりも数が多いなど、どの街でも必ずある医療機関です。それだけに競合が多いので、先生の人柄を文章に反映させることは意識しました。どういう雰囲気でどんなしゃべり方をするか。アットホームな医院なのか、権威ある最新鋭の医院なのかによって文体を指定して依頼しています。
文章はその表現内容によって読み手の受け取り方が大きく変わります。だからこそ、ライターのクリエイティブ要素を重視したうえで、顧客やユーザーの特性とマッチしているかのジャッジが大切です。Webディレクターが文章を書けるようになる必要はありませんが、Webサイトの文章の方向性は確実にジャッジできるようなるべきでしょう。
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