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顧客意見でWeb制作はNG?真意をつかむWebディレクターの心得とは

はじめに

全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。

【執筆クリエイター】
デザイナー・エンジニア・広告セールスマネージャー
株式会社エニィ代表取締役
阿萬 真紀 
デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。透き通った心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。

主にシステム開発などのエンジニア職であれば、要件定義の重要性は説明するまでもないでしょう。要件定義とはプロジェクトを始める前段階で、必要な機能や顧客の要求を明確にする作業です。サイト制作においては、エンジニアに加えて上流工程を握るWebディレクターにおいても要件定義の能力が重要になってきます。

ではWebディレクターが要件定義で失敗したり、顧客とのトラブルを招いたりしないためにはどんなことを意識すべきでしょうか。顧客心理を明確に捉えるうえで重要になるのは、単に意見を鵜呑みにするのではなく、「顧客のニーズ」を引き出すことだと言えます。

◆Webディレクターはニーズを引き出したうえでの答えを重視すべき

サイト制作を開始する初期の段階で、多くのWebディレクターは顧客の考えを理解するためにヒアリングを実施しているでしょう。実はこのヒアリングが非常に重要であり、サイト制作における成否を握っていると言っても過言ではありません。ディレクションが上手くいかない場合もこのヒアリングできちんと要件が聞けていない可能性があるでしょう。ここで注意すべきなのは、要件とは単なる意見とは異なるということです。

制作につまずいた際にWebディレクターが「顧客がそう言っていたから」という発言をすることは珍しくありません。残念ながらこのケースの大半は顧客の真意を紐解けていないと言えます。なぜなら顧客のニーズは、意見をしっかり引き出さないと導き出せないからです。つまり、その意見が重要なのではなく、その意見をなぜ言ったのかという真意が重要になります。ニーズを深堀し、洞察して考え抜いて出てきた答えを重視すべきでしょう。

以前に提案の場で、先方に「一番安いところに決めたい」と言われたことがありました。「なんで安く制作をしたいのか」というニーズを紐解いてみると、担当者は「上から4年後の売上を2倍~2.5倍にしたいと言われ、安い金額で最大限のパフォーマンスの発揮を目指した」と答えました。まさしくこれが顧客の要求です。その後も「実際のところシステム要件は本当にこれで良いのか?エリアは?客層は?市場は?」と続けざまに真意を掘り下げたことで顧客理解が深まり、その結果、受注につながった過去があります。

Webサイトなど成果物を顧客に提供する際は、価値のあるものを提供したいとクリエイターなら誰しも思うはずです。しかし、表面的な情報だけを鵜呑みにしてニーズをキャッチアップできないと、無駄な成果物になってしまう恐れがあります。そうした無駄な成果物を作らないためにも、私自身はエニシングな経営支援を行うことに努めていますし、顧客ニーズに寄り添い続けたいと考えています。

相手が何を求めているのかを想像し、必要な機能や条件に落とし込む作業が要件定義であって、それはどの仕事にも通じるところがあるはずです。顧客ニーズの掘り起こしを遂行するためには要件定義の前段階として、「要求定義」を実践してみましょう。要求定義とは、顧客ニーズ、つまり要求を箇条書きなどでまとめて分かりやすく整理することです。要求定義は顧客に直接見せるわけではないので、Webディレクターが先方の考えを理解するためのものと考えて良いでしょう。

顧客の要求が明確になれば、それに対して「できること」「できないこと」の線引きが明確になります。それはつまり、提案要件が固まると言い換えられます。顧客ニーズに対して、自社で提供できる価値がはっきりさえすれば、おのずと必要な機能や条件が見えてくるはずです。だからこそ、要件定義の前段で要求定義を実践してみましょう。

◆要件を整理できるヒアリングシート・報告書・見積書が理想

顧客ニーズを引き出し、要件定義として固められたのであれば、次はその内容に関して共通認識を持つことが必要です。Webディレクターを筆頭にクリエイターは誰しもちゃぶ台返しが大嫌いなはず。そして、それは顧客においても同様です。そうした認識のズレが生じないように、ヒアリングシートや報告書のフォーマットを作成して、各メンバーの対応の平準化を図っています。顧客から聞いた話を要件として固め、それがさらに共通認識としてブレないようにする仕組みの整備は重要です。

また、弊社では見積書においても対応要件を明確に示すことを心がけています。そして、共通理解のために見積もりの内訳をオリエンで説明して齟齬がないように努めています。追加費用の発生条件などを明確にして、スケジュールやルールの厳守を徹底してもらううえでは欠かせない取り組みです。要件を細やかに説明してお互いの納得のいくラインを先に整備することに注力しています。

Webディレクターに限らず、どの職種でも顧客の考えと制作の方向性がズレそうになる時があるはずです。そうした時は、顧客ニーズを紐解き、要件を明確に定義する。そして、それを顧客に提案してしっかりと対応内容をグリッピングすることが一連の流れです。顧客との認識がズレるというWebディレクターの方は特に、顧客ニーズを引き出すことを意識してみてください。

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