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CMS構築・開発は「目的が第一」 Webディレクターがやりがちな認識のズレとは?

はじめに

全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。

【執筆クリエイター】
Webディレクター、コンテンツディレクター
山田 尚志
顧客からの「ありがとう」獲得数に定評があるWebディレクター。サービスやビジネスを深く理解をするためにも、顧客の懐に潜り込むスタイルのディレクションを得意とする。東証グロース上場のIT企業勤務時は300社以上のディレクションに関わった経歴を持つ。企業ブランディング支援の経験を持ち、ブランドプランナーの講師として登壇歴もある。また、コンテンツディレクターとしてメディア運用の責任者も歴任。メディアの構築やコンテンツ企画、反響分析にも従事した。 

Webサイト制作において、CMS構築・開発はやり方や知識量ともにWebディレクターによって異なる傾向にあります。WordPressやMovable Typeなどの一般的なCMSであれば、ある程度は自身で構築できるWebディレクターもいるでしょう。一方、エンジニアのような詳細な知識を持ち合わせていない方も珍しくありません。
 
今回は後者のタイプの方に向けたコンテンツです。CMSは顧客自らがコンテンツをアップできる便利な仕組みですが、要件を間違えたり、認識のズレがあったりするとトラブルが発生しやすい領域でもあります。Webディレクターは自身の理解領域をきちんと把握したうえで、顧客やエンジニアと的確な連携を取ることが求められます。

◆分からないことの「できます」「やれます」の即答はNG

WebディレクターがCMS構築・開発においてもっとも気を配るべきなのは社内外のコミュニケーションです。大前提として顧客はもちろんのこと、エンジニアに対しても不明瞭な点をクリアにすることを心がけましょう。初めての仕様であった場合は即答せずに「持ち帰って確認します」と伝えていました。顧客に対してエンジニアとの共通認識を持ったうえでの正しい知識を伝えることは、CMSに精通していないからこそ徹底していますね。
 
対エンジニアとのコミュニケーションにおいても不透明な部分をなるべくクリアにすることを心がけています。エンジニアとCMSについて共通認識を持つ際には、口頭ベースでのやり取りは絶対にNGです。エンジニアとの打ち合わせ前に似た機能のある参考サイトを見つけ、「こういう機能を実装したい」という説明を行っています。自分の説明だけでは表現できない具体化したイメージを共有することを意識しましょう。
 
また、CMSの機能でできる・できないはもちろん、デメリットやリスク、手間なども顧客にきちんと伝えられるようにヒアリングしています。たとえば、「お客様がCMSでこういう機能を求めていますが、実装は可能ですか?」と質問をした際に、「大丈夫です」とエンジニアが返答したとしましょう。そこでコミュニケーションを終わらせずに、懸念点をしっかりあぶり出すことに注力しています。エンジニアの見解をもとに、顧客に正しい知識を伝えることは、その後のCMS運用において確実にプラスに働くはずです。

◆CMS運用の目的と情報発信の種類を明確にヒアリング

顧客にCMSの正確な知識を伝えるのと同様に、重要視しているのはCMS運用の目的と情報発信の種類に関するヒアリングです。「顧客がなぜ(Why)CMSを実装しようとしているのか」「自社でどんな(How)情報を発信しようとしているのか」はヒアリングで深堀することに努めています。なぜなら、目的や情報発信の意図をきちんと理解しないとCMS運用の根本が揺らぐことがあるからです。
 
たとえば、顧客がCMSで「お知らせ」と「ブログ」に分けて表示することを希望していたとしましょう。顧客としてはそうした機能的な配慮をしたうえで構築していると当然思うはずです。しかし、実際はそうした機能を実装できるように、Webディレクター主導でCMSの構築を行う必要があります。CMS運用の目的や情報発信の種類を深堀せずにいると、投稿のアップ先を1つしか作らなかったなどの認識のズレが生じてしまう恐れがあるのです。
 
Webサイトが完成に向かう終盤に差しかかった際や、もしくは納品がなされた後にそうした認識のズレが発覚すると即トラブルに発展します。「お知らせとブログを分けて表示したかった」と後になって言われても、対応が難しいケースもあるでしょう。そのため、初期段階において「CMSで何をしたい」「どんな情報発信をイメージしている」という要望をきちんと吸い上げることで、制作の目的をブラさないことが大切です。

◆将来性を見据えたやり取りで「後出しジャンケン」を避けよう

目的を意識して顧客へのヒアリングを深堀できていれば、実装において認識のズレが起こるリスクを最小限に留められます。たとえば、「Webサイト公開時にはまだブログを展開しないけど、3ヶ月後から積極的にブログや新着情報を発信していきたい」というケースもあるでしょう。そうしたCMS運用の将来性も踏まえた認識のすり合わせを事前にきちんと行っておくことが大切です。
 
顧客から後になって「CMSは簡単にカスタマイズできると思っていた」「投稿先を複数にしたかった」などの要望が出てきても対応ができないケースもあるでしょう。そうなると「なぜ先に言ってくれなかったの?」という顧客の不満を買い、揉めて炎上する明るくない未来しか見えてきません。
 
CMSはある程度構築してから、要望が「後だしジャンケン」で出てくると取り返しがつかなくなります。なので、後になって揉めるくらいなら、初期段階でしつこいくらい顧客やエンジニアと要件を確認するほうが得策でしょう。要件さえしっかり固まってしまえば、Webディレクターが介入できることはあまりありません。自分の場合は、開発面においては丸っとエンジニアさんにお任せするスタイルです。だからこそ、ヒアリングの不備・不足だけはないようにしています。

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