フリーランスクリエイターの「単価の上げ方」について語ろう!
こんにちは、「はいふぁい」編集部です。
Webディレクター・マーケティングなどを行っているクリーク・アンド・リバー社シニアディレクター「アベ」と、フリーランスWebデザイナー・エンジニア「ケン」が、会社じゃ話せないホンネや実体験から得られたノウハウ&教訓をお伝えしていきます!
今回はフリーランスの単価の上げ方、LTV、フリーランス/会社で働くときの収入アップの違いとマインドセットをケン、アベ、ショーコが討論します!「フリーランスで収入アップしたい!」と思っている方、現在会社に勤めているサラリーマンの方で同様に考えている方におすすめの記事です!
契約前後はお互い様子見。トライアル期間を設けるのがベター
ケ:う~ん、今回難しいテーマですねぇ(笑)。
編:基本は契約更新時に、ストレートに言うか遠回しに言うかは人それぞれだと思いますが、「(単価の件)いかがですか?」みたいに言ったり(笑)。
ケ:そうですね、まずはトライアルで使ってもらうってところなんですかねぇ。なので費用的には抑えた額で、案件をやらせてもらって、良ければ今後も継続でってところと、そこで費用の交渉に入る感じでしょうか。
編:うんうん。
ア:そういう、 初めて一緒にお仕事する方だと、おっかなびっくりな感じでスタートすることもあるので、そこでトライアル期間がある方が双方にとって安心ですよね。
それこそブランド力があって、実績ある方だともっと強気にいけるんでしょうが。
編:まず、トライアルで使っていただくことですよね。
ア:そうそう、なのでまずはお値段あげる以前に、「使ってもらう」段階に持っていくことが第一関門と言いますか、そんな気はしますけどね。
編:使ってもらう側としても、「本当にこの案件でやっていけるのだろうか」という見極めの機会になりますし、依頼者にとってみてもそれは同じだと思います。
ア:互いにね。
編:そうです。
日本人気質!?「ギャラあげてください」はさすがに言いづらい...
ア:日本人の悪いところだと思っているのですが、「ギャラあげてください」とか言いづらいところありますよね(笑)。
編:苦手ですよね。
ケ:これ、二パターンあると思っています。継続的な案件、単発の請負があって、後者でやることが圧倒的に多いんです。交渉術と呼べるかは分からないですが、色々提案した結果、単価が上がることはあるかと思います。
ただ、定期的に契約更新する場面において、「ギャラあげてください」っていうのはさすがに、言ったことないですね(笑)。日本人らしさが出ちゃってると思うんですけど。
なので単発の請負契約の場合はお客様からの要望や費用感をヒアリングして、「あ、それだったらここからここまでの費用でいけそうです」ってお伝えし、更にそこで「こういったこともやりたい」というご要望があれば、「今お伝えした費用にさらに上乗せる形で~」という風にはお伝えしますね。
で、最終的な「やる」「やらない」判断はお客様に委ねています。
「お客様の望んでいることは何か」を正確に把握する
ア:まずは、お客様から予算感を聞くそして松竹梅のようなクライアントの要望が満たせるラインを梅で考えて見積を作ったりしますが、ケンさんはどうしてます?
ケ:そうですね~これも正直相手による部分もあって、なんとも言えないですが、
要はお客様の叶えたいゴールを明確化する、その過程での手段で先方より色々リクエストがあったとしても、「いや、実は他にも方法があるんです」みたいな予算別パターンというのをいつも瞬時に判断して、提案するみたいなことはやりますかねー。
ア:そうなると単価をいかに上げていくというよりかは、クライアントの要求事項にちゃんとフィットさせてあげるようにしていくというところですかね。
ケ:あっ、もう本当にそうですね~。究極はお客様が望んでいることを僕らがちゃんとキャッチして、サポートさせていただけるところはサポートするというスタンスで、やっています。
ド直球に「単価上げてください」
編:私、これまでケンさんのような視点で考えたことなかったですね・・・!お客様のこととか見えてなかったし、いかに自分の単価を上げることだけ、そればかり考えてました。
ケ:それはどういう結論になるんですか?ライターさんで単価を上げる場合。それはどうやったら叶えられるのでしょうか?
編:そうですね、今までかなえられた事例って本当にただ、シンプルで、契約更新時に「単価上げてください」と言ってみたり、契約した会社に対して「御社とお仕事させていただく中で、〇〇といったことも習得できましたので、〇〇をする際は役立つかと思います/当初より携わる業務が増えましたので、単価見直しをお願いします」とアピールしたりでしょうか・・・。
目先の単価アップよりもお客様と良好な関係を築く事に徹する
ケ:僕、思ったんですけど、例えばアベさんが、僕へ仕事を依頼に来たとします。で、その際に僕が「この内容だったら、A社さんにお願いしたほうがいいかもしれません」と言うとするじゃないですか、その際のアベさんの僕に対する印象って悪くはなってないと思うんですよね。また依頼をしに来てくれるのではないかと思うわけです。
ア:分かる〜。
ケ:そうなんです。で、そうやって考えた時に、5年、10年も関係を良好に持つ事がとてもいいんじゃないかと思ったんです。
とりあえずなんでもかんでも受注して、もう責任を負えないという状況に仮になったとして、「あ~ケンさんのところへ依頼してもダメだなぁ」と思われちゃったら、もうそこで関係終了なんですよ(笑)。
でも関係を良好に続けていると、長期的に見た際に得すると思いました!
ア:発注する側からの意見を言うと、やっぱり同じ目線持ってもらって、ゴール地点を意識してもらっている人と、意識してもらっていない人だと全然違って、「モノ」だけ納品してもらっている方だと、長期継続にはならないんですよ、やっぱり。
やっぱりお客様の視点に立たないと、単価アップは難しいでしょうね。
ケ:これが不思議なことにお客様も全員、そういう考えの人とは限らないんですよね(笑)。「とりあえずこれ発注しといて!!」という雑な方もいるじゃないですか。なのでお客様を選別することはないのですが、どういった方なのかなというのは観察するようにしています(笑)。
あとは波長があう方でしょうか。
ア:それ!
ケ:やっぱり楽しく働きたいじゃないですか。フィーリングとか大事だと思うんですけどねぇ。
クリエイターはプロダクトアウト思考になりがち説!?
編:ふと思ったのですが、職種によって「クライアント側に立って物事を考えやすい」とかあるんですかねぇ。ケンさんのこれまでの言動、取材で一貫して、「お客様の立場に立って考える」という思想があるんですよね。私・・・あまり・・(お客様の立場に立って)考えたことがなくて・・・。
分かんないですけど、ライターとか編集者って「書くことが好き!」「編集が楽しい!」という視点を持っている人は多いんですけど、あまりこう、バリバリクライアントワークって感じで仕事してる人、見たことないなぁと思ったんです。
ア:職種は関係ないと思いますね。やっぱりデザイナー、エンジニアとかにもそういう人いますよ。技術やデザインを追い求めたり・・・。クリエイターはプロダクトアウト的な考えになりがちなので、マーケットイン的な発想も気にしていると良いと思います。
お客様ありき。お金は後からついてくる
ケ:確かに。最近僕気づいたんですけど、「人と何かをすることが好き」みたいです。「自分の好きなことだけをやる」というのは、そこまで価値は見出してないかもです。
どうせならお客様ともたくさん繋がっていて、どこからでもその繋がりが広がっていく状態の方が、自分にとって徳だという事に気づき、そうだとするとお客様の要望をしっかり傾聴する必要があると思います。
それを心がけることによって、2倍、3倍で返ってくることもあると思うんです。
ア:基本的に発注者側って提案が欲しいんですよね。なので言われた事だけやってくれる人よりかは、発注者が気づいていないところに「これどうですか?」「今度こんなことしませんか?/できますよ」という話があった方が、繋がりが作りやすいですよね。
編:うんうん。
ア:そうでないと、一個の案件が終わったときに、契約終了になってしまいますものね。
ケ:そうなんですよ・・・。それでフリーランスとして食い扶持を稼ぐ身、かなり厳しいです。
ア:僕自身も以前、会社経営していたこともありますし、いろいろな経営者の方と話していて思うのは、原則はお客様ありきで、お金はあとからついてくるという考え。そういったマインドの方が多いように感じました。
会社員で生涯年収を上げるには?
編:これまでフリーランスの単価の上げ方について、議論してきましたが、これが会社員だった場合。手法は違ってくると思いますか?
ケ:違うと思います。
ア:ベンチャーは実績がつくり易く、特に初期メンバーであればあるほどいろいろな経験ができるので、年収は上がり易い傾向があるかも・・・経験上。
ケ:日本はなんやかんや今、元気がないので。会社勤めで1年に数回昇給制度あったとしても、雀の涙ほどで・・・。
編:もともと給与が高い業界に入り、職種に就く。キーエンスや外コンなど。
ア:そうですよね。外資系はスタートが高いですよね。
ベンチャーは重要ポジションに就きやすく、任せられる仕事の責任も大きいですし・・・。なので個人的には大手行くより、ベンチャー行った方が色々な経験ができてキャリアが積み上がると思いますね。
編:フリーランスの収入の上げ方が主なトピックでしたが、そこにはお客様の課題にしっかり対峙するという姿勢が大切だということが分かりました。また、会社員の場合の収入アップについてもお話ししました。
目の前の案件をこなすことに必死になりがちですが、時々立ち止まって「何のために/誰のために」思い出しながらお仕事したいですね。貴重なお話でした。お二人ともありがとうございました!
ア&ケ:ありがとうございました!
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