説得力が違う?Webディレクターではなく、「UXリサーチャー」としての顧客提案
はじめに
全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。
みなさんは顧客にWeb施策の提案をする際に、どんな準備をしているでしょうか。企画書とにらめっこし、夜遅くまでアイデアを絞り出すために頑張っているWebディレクターも多いでしょう。もちろん、自分の頭で提案内容を考えることは重要ですが、主観的な一意見は単なる仮説に過ぎないかもしれません。
仮説を説得力のある提案に昇華させるために必要なのは、データや消費者の声など揺るぎない事実を加えることです。近年、「UXリサーチャー」という職種に注目が集まっていますが、価値ある提案を行うためには誰もがエンドユーザー(消費者)へのリサーチをすべきだと言えます。つまりWebディレクターを筆頭に、全クリエイターがUXリサーチャーを目指すべきなのです。
Webマーケティングにおいて知っておきたい「UXリサーチ」
Webサイトにおいて顧客や消費者のココロを知ることは非常に重要です。たとえばサイト上でどんな情報を閲覧し、何に興味を示し、どのタイミングで他のページに変遷していったか――そうしたユーザー心理を追うことでUX(ユーザーエクスペリエンス)の理解が深まります。そして、UXを最適化するためには、仮説ではなく調査などの事実に基づいた改良やアップデートが不可欠となります。
そこで役立つのが「UXリサーチ」です。UXリサーチとは、UXの満足度を高めるためにインタビューやアンケートなどの定性・定量調査やユーザーテストなどのリサーチを実施すること。そして、UXリサーチを生業とする職種が「UXリサーチャー」です。
Webマーケティングをするうえでは顧客や消費者の視点に立つことが必須なだけに、UXリサーチを職種問わずに取り入れることが望まれます。
UXリサーチで分かる「ユーザー心理」と「サイトの課題」
UXリサーチを実装するためには、ツールの活用が欠かせません。メンバーズでは社内カンパニーのアンケートツール「ポップインサイト(https://popinsight.jp/)」を導入しています。ポップインサイトではユーザーインタビュー、ユーザーテスト、ユーザーアンケートなどさまざまな分析手法の活用が可能。主に顧客のメディア運用などに対して、仮説を裏付けるデータで提案の説得力を増したい時などに利用しています。
UXリサーチによるアンケートで得られるのは、主に「ユーザー心理」と「サイトの課題」です。サイトの改善提案をするうえでは、ユーザーがどこに不満を持ち、何に疑問を抱いたかというUXこそが貴重な意見であり、最大のヒントになり得ます。
UXリサーチによるアンケートで得られるもの
【ユーザー心理】
・関心事
・先入観
・不理解/不納得
・訴求点
・疑問/不安
・誤認
【サイト課題】
・導線不足
・文章可読性
・入力/選択
・強調不足
・操作性
・反応不足
たとえば、上記のようにアンケートによってユーザー心理を理解できるだけでも、サイト課題のポイントが浮き彫りになります。これこそがUXリサーチであり、消費者の声を活用するということなのです。
身近な人から意見を集めるのがUXリサーチャーの第一歩
ポップインサイトのようなツールを活用し、効率的にUXデータを収集することはWebマーケティングにおいて非常に重要です。しかし、UXリサーチはツールでなければ行えないというわけではありません。たとえば、完成したWebサイトを社内のメンバー10人に閲覧してもらい、率直な感想をもらうことでもUXリサーチは成立します。
顧客にとってのユーザーになり得る身近な人に協力してもらうだけなら、金銭、時間、技術的な制約がある中でもUXリサーチを実現できるはずです。最善を考え続けるのが仕事なだけに、ツール活用が現実的でない場合は、知恵や工夫でリソースを補うことが重要になります。
トレンドだけの提案をして、まったく関心を持たれなかった苦い経験を私も持っています。顧客や消費者の視点に立った説得力のある提案をしたいと強く思うのは、そうした失敗があったからこそ。「提案内容がなかなか顧客に刺さらない」とお困りのWebディレクターの方は、まずは身近な人の意見収集から始めてみてください。それがUXリサーチャーとしての第一歩です。
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