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経験を積むほどアウトプットが古くなる……。“異物”で栄養補給を『Webデザイナー×ブレイクスルー』

はじめに

クリエイターに特化したビジネス書があってもいいじゃないか――。
仕事に関わる技術やキャリアだけでなく、疲れが取れる休み方、遊び方などの体調管理など。人生を効率的に・豊かに過ごすための「生活術」や「仕事術」をクリエイターの実例を通じてお伝えしていきます。

【執筆者】
Webデザイナー・UXUIデザイナー・Webディレクター
服部 健一郎 
広告制作会社にて、大手広告代理店のナショナルクライアントを中心にSoftBank、HONDA、Panasonicなどのデザインチームに約7年間在籍。ONE SHOW、CANNESLIONS、ADC、BtoB産業広告賞などの入賞作品への参画。広告批評、ブレーン、アドセレクト、文字とビジュアルの良い関係グラフィックスなどの業界誌や書籍などへの掲載。2009年にクリエティブプロダクション株式会社ポイントを設立。

どのような仕事にも当てはまることかもしれませんが、クリエイティブの仕事、あるいはクライアントワークにおいて“壁”が立ちふさがることは多々あります。壁を前にすると前進できないことに焦ったり、不安になったり、場合によっては諦めてしまったりすることもあるかもしれません。

しかし、ひょんなことがきっかけで、嘘みたいに目の前が明るくなった経験のある方も多いのではないでしょうか?

今回はクライアントワークやアウトプットにおけるブレイクスルーについて書いてみました。ブレイクスルーに必要なのは“粘り強さ”と“異物”です。熱量を失わなければ、きっと目の前の壁を突き破れるはず!

執筆者:服部 健一郎(株式会社ポイント代表)
Webデザイナー/UXUIデザイナー/Webディレクター

「ボケとツッコミ」の積み重ねが、ブレイクスルーにつながる

ボケとツッコミ????

「クライアントとのやりとりがスムーズにいかない」というときの原因の多くは、クリエイターマターで進められていないケースかもしれません。「クライアントからなかなかOKがもらえない……」など不自由を感じることが多いと思いますので、そういったケースにおいての対処法に絞り、ご説明していきたいと思います。

「短期間で120%のものは提出できない」という前提に改めて立つ

クライアントの特性として、短期間で120%のものが出てくると思われがちです。基本的に、お客様の情報をお客様以上に理解するのは、短期間では不可能です。そのため、ご納得いただけるまでどこに不満があるのか、何が足りないのか、聞き手に回るしかありません。無駄に抵抗すると溝を生み出す原因になりかねないため、焦りは禁物です。

困難な課題に立ち向かうためには、日々の信頼関係を大切にしましょう。コミュニケーションの中で得た情報の蓄積が、よい関係性やよいアイデアにつながります。

一発でOKを獲得していると思われている方も、実はそういった地道なコミュニケーションや作業を積み重ねているのです。階段を一段ずつ上がっているという基本的なプロセスは変わりませんので、もしデザインに対して修正が入ったとしても、的確に後戻りできるよう一段一段進めいくことが大切です。

「たたき台」を用意して一段一段進めていく

クリエイターマターで進められていないケースにおいて、もうひとつ大切にすべきことは、たたき台を基に議論するという観点になります。たたき台とは、デザインやプロジェクト全体像などのプロトタイプのことです(たたき台についてはこちらの記事で詳しく解説しています!)

クライアントと同じ目的を見据えるうえで、このたたき台が欠かせません。それがあるだけで、とても生産的で有意義な議論が生まれるからです。

クライアントOKをもらうために大切にしたい「ボケとツッコミ」

それでは、たたき台があることでどうして有意義な議論が生まれるのでしょうか? よく例えに挙げさせていただいているのが、ミーティングにおける「ボケとツッコミ」になります。ボケとツッコミを繰り返すことで、議論の深度を深めていくことを大切にしています。

たたき台――すなわち「ボケ」は、先に行き過ぎると指摘ができないどころか、理解が及ばずお笑いとして成立しないことがあります。なので、わかりやすさを意識し、誰もが「ツッコミ」やすくすることで、話が活発になります。

自分よがりな進め方ではツッコミが生まれず、プロジェクトの推進が困難になります。また、ツッコミに徹することがハンドリングするうえでの最重要ミッションであると考えがちです。しかし、お互いが他人を言い負かすようなスタンスになってしまうと、誰もボケたがらない(提案したいと思えない)空気が生まれてしまいます。

良いボケができるように努めて、ここぞというときに一言でまとめてみましょう。その瞬間こそが、他人から見て「一発で採用されている」と思われる、ひと際キラリと輝く神の一手に見えるときだと思います。

ブレイクスルーに欠かせないクリエイティブへの熱量

ブレイクスルーを実現するためには、何パターンか対処法が

私も日ごろから、なぜ人に理解していただけないのか、なぜプロジェクトが進まないのか悩みがちです。「こういった方法がベストなはずなのに、なぜ小さなことにこだわっているんだろう。なぜ体裁ばかりで前に進めないのだろう」とモヤモヤします。

プロジェクトを推進するうえではさまざまな障壁が立ちふさがります。それはアイデアの壁であったり、進行上の壁であったりしますが、ブレイクスルーを実現するためには、何パターンか対処法が存在します。

壁を突破するには手を動かさない時間も大切

課題を前にいつも「何となく進めてしまっている」と感じている場合は、大抵上手くいきません。多くの場合、自分の知らない領域の知識が足りていないことが原因になっています。そんなときは、まずは調査に時間をかけてみるのはいかがでしょうか。

特に経験の浅い方であれば、「これなら行ける!」と思えるまでは手を動かさないことも大切です。業務時間外で日々インプットすることを心がけていると、近い将来インプットしたことが自分を助けてくれることが増えてきます。調査やインプットに時間を割けないのは、とてももったいないと感じます。

壁を突破するには「熱量」が大切

課題を前に「熱量が足りていない」と感じている場合は、とにかく最後までやりきってみる、という考え方があります。「こんなことを続けていても埒が明かないな」と考えたとしてもひたすら続け、疑いすらもたずに取り組むと、点と点がつながってブレイクスルーに至ることがあります。

ブレイクスルーについて考えるとき、よく思い出すエピソードがあります。

熱量と粘り強さはブレイクスルーにつながる

数年のお付き合いがあり、関係性も構築されたとあるクライアントのプロジェクトに携わったときのことです。クライアントの製品への理解もかなり深まっており、大抵のリクエストは短い時間で対応できるようにもなっていました。
あるとき、大きなイベントに挑戦するプロジェクトに携わることになり、強い信頼関係を築いていたものの前例がないという不安からか、クライアントからプロジェクトの決済が下りない時期が続きました。イベントのブースを建設する関係者様へのご迷惑にもつながり兼ねないような状況で、私自身とても焦っていたことを思い出します。
決済が下りないなか、プロジェクトを実現するためにクライアントとは議論を重ね、粘り強く提案も続けていました。やがてキラーコンテンツとして巨大LEDモニタを設置するという案が通り、それがブレイクスルーにつながりました。
……と、そこまでは良かったのですが、普通にやったら予算をオーバーしてしまいます。当時、名古屋のLED業社様へ委託を取り付けるために、急いで名古屋に足を運び、予算内で収まる電球ピッチ感覚と技術を応用することで、リソース内で実施する交渉ができました。

踏ん張りどころにおいては、熱量がブレイクスルーの最大要因になることが多いです。このエピソードは個人的に思い出深く、今でも駆け出しのクリエイターさんへお話することがあります。

とにかく言い訳せずに、自分が本心でやりたいことが何なのか、そしてあとはそれを成立させる方法を考えるだけ。若干強引に思えるかもしれませんが、一歩先を進むためには、こういった考え方がすごく重要です。

アイデアの壁にぶつかったら

異物混入????

業務時間外も含め、日々アウトプットを続けるのが当然になっている中堅以上の方におすすめなのが、煮詰まってしまった「アイデア」に“異物”を混入することです。

経験を積んでいるからこそ、知らず知らずのうちに可能性を狭めてしまっていることが多く、「決めつけ」によって古さが滲み出てしまうことがあります。

もちろん、経験はすごい重要なファクターとなりますので、そこに「これを組み合わせても上手くいくかな?」といった、新しい価値観を強制的にインスパイヤーすることをおすすめしています。

具体的には、今までの「手段」が間違っていた場合に必要になるのが、まったく違う発想をもってくるという方法です。「これが使えると思えない」という誰もやっていなかったことを書き出してみて、「A+B or C or D」の要領で、疑いをもったうえで取り組んでみると意外な接点に気づけることがあります。

また私の経験上、ハイクオリティをお求めのクライアントの場合、「新しい表現方法」という価値をすごく理解しています。そのため、クリエイターの最大価値として、見たことのないものを生み出し続ける必要が出てきます。

クライアントはクリエイター以上に商品や自社のことを考えている

誰もが知るナショナルクライトの案件に携わっていたときのこと。当時、毎年新商品が3つはリリースされることから、1年中同じことを考えていることが多かったです。もちろん、広報の方は私以上に同じことを考え続けていたと用意に想像がつきます。そのため、普通に考え始め、同じロジックを辿ると同じアウトプットになるのは必然で、却下となる可能性が高いです。

そういった日々が続いたため、ひとまず本屋に出掛けて、今まで気にならなかったものを中心に手に取るようにしていました。そういった気軽な気持ちがブレイクスルーにつながることもあったため、自分の価値観に縛られないことはすごく大切だなと、今でも感じています。

目の前に壁が現れたら、新しいことを取り入れるタイミング

ブレイクスルーをするうえで、勝手な思い込みは禁物です。また、本当に成長したいと思っているのであれば、悪い習慣や影響を与えてくるようなマウンティングする方と距離を置かないと、新しい発想が出づらいロジックに陥りがちになります。思い当たる節があるのなら、正常なメンタル環境を大切にしてほしいです。

ブレイクスルーとは、見方を変えれば「新しことを取り入れるタイミング」とも言えるため、開放的で寛容な状況に身を置いたほうが、圧倒的に成長できると思います。

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