特にWebディレクターには不可欠!?世の中に価値を提供する「マーケティング思考」
はじめに
全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。
クリエイターであれば誰しも「いいモノを作りたい」と考えるのではないでしょうか。しかし、 そのいいモノの基準が「誰の視点」なのかを意識できていない方 もいるでしょう。クオリティを求める熱心なタイプほど、プロダクトアウト(企画・開発・制作で作り手の論理や計画を優先させる手法)の考えに陥りがちです。
ではクリエイター、中でもWebディレクターが市場から評価されるプロダクトを作るには何を意識すべきでしょうか。ヒントになるのが 「マーケティング思考」です。クリエイティブな仕事は「世の中に価値を提供すること」が目的なだけに、顧客や消費者のニーズをしっかり汲むことが重要になります。
マーケティングで大事なのは顧客・消費者のココロを知ること
1つ断言するのは、「すべてのクリエイター、特にWebディレクターはマーケティング思考を持つべきである」ということです。たとえば、Webサイト制作を受託した場合、そのサイトを所有する顧客が存在します。そして、その先にはサイトを閲覧する消費者(エンドユーザー)がいます。この構図は揺るがないだけに、顧客や消費者の意図を汲んだ成果物を提供することが大切なのです。
ゆえにマーケティングは「顧客理解→消費者理解→価値の提供」という順序になるでしょう。「マーケティングで大事なのは顧客や消費者のココロを知ること」。そのため、顧客や消費者の考えや意見を「そうなんだ」で終わらせることなく、なぜそう思うのかについて思考を巡らせ、徹底的にリサーチしたうえで理解・把握することが求められます。
しかし、残念ながらWebディレクターやWebデザイナーらクリエイターの中には、自身のクリエイティブの追求に神経を傾けがちな方も存在します。情熱を持って仕事に取り組むことは重要ですが、ベクトルは常に顧客や消費者に向けられるべきでしょう。クリエイティブに徹するのはあくまで手段です。それが目的になってはいけないことを肝に銘じましょう。
成果物の精度に差をつけるのは「目的意識」
クリエイティブに徹するのが目的ではなく、手段であることを理解するうえで分かりやすい話があります。それがイソップ寓話の「目的意識の異なる3人のレンガ職人」です。ある人が旅の道中で3人のレンガ職人に出会う話ですが、同じ職業にもかかわらず、全員目的意識が異なるのが肝になります。
旅人はそれぞれのレンガ職人に対して「何をしているんですか?」と同じ質問をしましたが、その返答内容に目的意識の差が如実に表れています。
【3人のレンガ職人の返答の違い】
1人目は特に目的意識を持つことなく、作業としてレンガを積んでいます。虚無感を覚える返答です。2人目は明確に仕事という意識を持っています。家族の生活費を稼ぐためにレンガを積んでいるのでしょう。最後の3人目は、大聖堂という建物が意義深く、世の中にとって価値があることを感じさせてくれました。
このように同じ仕事でも取り組む際の目的意識が異なるだけで、その仕事に関わるモチベーションの違いを感じることができます。つまり、目的意識の差が成果物の精度にも関わってくる」ということ。「神は細部に宿る」とは、まさに言い得て妙なのです。
「プロダクトアウト<マーケットイン」の意識を持つことが重要
冒頭でWebディレクターらクリエイターはプロダクトアウトになりがちだと言いましたが、理想はマーケットイン(企画・開発・制作で顧客や消費者のニーズ・声を重視する手法)です。制作におけるベクトルを自身や組織の満足に向けるのではなく、顧客や消費者の視点に立つことが重要になります。
Webサイトで例えるとすると、プロダクト(Webサイト)の制作のためには、ターゲティング(顧客の市場を選定)が必要であり、ペルソナ(顧客の顧客に当たる消費者像の可視化)で方向性が明確にすることで、UX(ユーザーエクスペリエンス/消費者・エンドユーザーの体験の創出)につながると考えられます。それらはプロダクトアウトではなく、マーケットインの考え方に基づいていなければ、実現は困難です。
「プロダクト→ターゲティング→ペルソナ→UX」とマーケティングを進化させるためにも、まずはマーケットインを意識して日々のクリエイティブに臨みましょう。視点が変われば仕事への目的意識が変わります。そうすれば世の中により高い価値を発揮できる可能性が高まるはずです。
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