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Webデザイナー→クリエイティブディレクター、ブランドデザイナー!転身は役割の変化?

◆このnoteに書いてあること
①デザイナーはデザイン以外のことにもっと携わってもいい
②クリイティブディレクターは単にクリエイティブを作るというより、事業やサービスを伸ばしていく観点が大事
③Webデザイナーからの転身を考える方は、「上を目指す」という上下関係的な考えよりも、「幅を広げる」という横展開で領域を広げる発想が大切

はじめに

今回の執筆クリエイターは、ブランディングテクノロジー株式会社にてクリエイティブディレクター/ブランドデザイナーを務められている松井 寛志さん。今回は、松井さんご自身の経験をもとにWebデザイナーの転身についてお話しいただきます。

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デザイナーとしてすでに活躍されていたり、頭角を現してきたりする方は、自身の成果物に対するクオリティの追求に余念のない方ばかりです。僕はそんなデザイナーという職種が大好きですし、デザインに関わっているのは面白い人ばかりだと考えています。でもだからこそ、デザイナーがデザイン以外のことにもっと携わってもいいのではないかと思っています。デザイナーとしての気づきや視野が広がるきっかけになるだけでなく、ご自身のデザイン力をよりビジネスに役立てることができるはずです。
 
僕自身、Webデザイナーとして新卒でブランディングテクノロジー株式会社(当時の株式会社フリーセル)に入社して以来、多くのWebサービスのデザインに関わってきたことに加え、ブランド・プランナー協会の講師や会社のリブランディングやIPOのプロジェクトにも参画しました。世の中のビジネスにおいてデザインが果たす役割は非常に大きいと思うので、Webデザイナーから転身を考えている方々にとってこれから話す僕の経験が少しでもお役に立てば幸いです。

◆クリエイティブディレクターは「経営や事業領域の課題解決」が担当範囲に

僕は現在、ブランディングテクノロジー株式会社の経営戦略室という部署に在席し、クリエイティブディレクターの肩書きで仕事をしています。ちなみに、クリエイティブディレクターという職種の定義は年々変わってきている印象です。最近はデジタル領域や動画などのクリエイティブ全体への関与が求められる傾向にあり、言葉の再定義が必要なのかもしれません。そうしたクリエイティブディレクターを取り巻く情勢の変化していることを前提に、Webデザイナーとクリエイティブディレクターの違いを説明します。
 
クリイティブディレクターに普遍的に求められることは、顧客・市場の理解です。加えて単にクリエイティブを作るというより、事業やサービスを伸ばしていく観点が大事になるでしょう。顧客と事業をつなぐための経営視点や、マーケティング・ブランディングなどの戦略の観点がより求められる傾向にあります。一方のWebデザイナーは、関わる範囲が制作領域に限定されることが多いと思います。僕自身、クリエイティブディレクターとなった際は、戦略領域により踏み込むことの必要性を感じました。
 
よくアートディレクターとクリエイティブディレクターの違いも尋ねられますが、一般的に言われる上下関係ではなく、自分は役割の違いだと考えます。「Webデザイナー→アートディレクター→クリエイティブディレクター」という一般的なキャリアパスがありますが、役職の上下関係というより、担当領域の変化のイメージです。Webデザイナーは「Web制作領域での課題解決」、アートディレクターは「プロジェクト全体のデザイン領域の課題解決」、クリエイティブディレクターは「経営や事業におけるクリエイティブ全般の
課題解決」だと考えます。クリエイティブディレクターは関わる領域・メンバーが非常に広範囲にわたる点が特徴ですね。

◆ブランドデザイナーは「それぞれの仕事(点)を線でつなぐ視点が重要」

ブランディングに関しては一般的なクリエイターの制作とは関わる範囲が大きく違うと考えています。そのため、ブランドデザイナーは非常に広域にわたる知識や接点が必要であり、自身1人で完結仕事ではないことが大きな特徴だと言えるでしょう。先ほども少し触れたアートディレクション、クリエイティブディレクションの能力が問われる場面が多く、ブランド全体をコントロールし、対応することが求められます。
 
僕は自社のリブランディングに関する全行程をnoteで公開しています。その中でも明記していますが、プロジェクトメンバーは各専門領域から選ばれました。コピーライターやWebディレクター、アートディレクター、Webデザイナーといったクリエイティブな職種に加え、会社の代表や経営戦略、人事戦略のメンバーも加わりました。このようにブランディングは、関わるメンバーや部署が非常に多い仕事になるので、ステークホルダーたちとの連携や他の職種の領域理解が重要になるのが特徴です。
 
WebデザイナーとしてWebサイトのデザインを作っていた際は、デザインという自身の領域を「点」として捉えていました。もちろん、Webデザイナーは、デザイン領域において素晴らしいビジュアルを作ることが大切です。一方、ブランドデザイナーになると「点」の業務を「線」でつなげて考えるようになりました。たとえば、サイト内のPR記事があった場合、SNSやバナー、リスティング広告などいろいろな接点がありますが、「ユーザーはどういう認知をして、どう回遊しながらメディア内を巡回しているんだろう」という視点を持っています。それぞれのメンバーの仕事が「線」でつながっていることを、ブランディングでは特に意識しています。

◆自分の領域を絞りすぎないことがおすすめ!コピーやコーディングにも興味を!

僕がこれまで経験したクリエイティブディレクターもブランドデザイナーにおいても、両者に共通する点は関わる領域を限定しすぎないことだと考えます。Webデザイナーだとデザインという「点」だけに集中しがちですが、自身が対応したデザインにつけられるキャッチコピーや、デザイン後の実装のフェーズであるコーディングにも興味を持ってみると良いと思います。自分の領域を絞りすぎずに、より広い視野を持って「線」で仕事をつないでみると、仕事の幅が思った以上に広がるかもしれません。
 
Webデザイナーからの転身を考えている方は、より充実したキャリアをイメージするうえで「上を目指す」という上下関係的な考えよりも、「幅を広げる」という横展開で領域を広げる発想があると上手くいきやすいかもしれません。クリエイティブディレクターもブランドデザイナーも、複合的なクリエイティブの知識やスキルが必要になってくるだけに、デザインを活かすためにデザイン以外を学ぶことにもぜひチャレンジしてみてください。

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