広告効果を上げる!「コミュニケーションアイディア」を作る方法とは。制作プロセスを丸ごと教えます!
LP(ランディングページ)や広告クリエイティブを運営していくなかで応募数が伸び悩んでしまう時期があると思います。効果が出ているLPや広告クリエイティブも数か月経過すると効果が落ちてくるので、市場に新たな提案していく必要があります。Webマーケターの宿命ですよね。
HIGH-FIVEでは、LPや広告クリエイティブを作る際にUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)を活用しています。毎回アイディアを出すのに苦労している方に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
USPとは?
USP(Unique Selling Proposition)とは、商品やサービスが持っている独自の強みを意味するマーケティング用語で、競合他社との差別化や市場での競争優位性を保つのに、またブランディングの側面において、重要な役割を担うものになります。USPの場合は、単なる強みの提示ではなく、「顧客に対して、自社だけが約束できる利益」を指すということで、提唱したらやり続けなければいけません。
USPはなぜ重要なのか?
商品やサービスには、さまざまな特徴やメリットなどがあります。
ただ市場ではコモディティ化していることもあり、流通している商品・サービスがユーザーにとってどれを使っても大差のない状態になっていることがあります。その状態から一歩抜け出すために、自社のUSPを整理しておくといいでしょう。独自性の高い訴求ポイントを伝えることができるようになり、商品の魅力が伝わり、商品を買う理由ができることになります。ようは余計な情報を削ることができ、効率的にマーケティングができるようになると。モチーフを簡略化して世界観や伝えたい部分を誇張したりするデフォルメデザインとも似てますね。
USPを考える際に大切なこと
USPを考える際の視点やポイントについて触れておきます。
まずは、必ずこのスイッチを入れましょう。「顧客にとって」の視点です。
顧客にとって独自性はあるか、ベネフィット(便益)は何かを考えていくことです。
1.ペルソナを考えよう
何をするにもまずはペルソナの話になりますね。誰に届けたいのか?誰を助けたいのか?を明確にすることでアピールするものが変わってきます。
万人受けするUSPは、逆に言うと誰にも刺さらなくなることがありますので注意です。
2.便益(ベネフィット)
その商品・サービスのメリットから得られる無形の価値であり「便利、得、有利、快、楽」などがあります。
例えばですが、ライザップの場合、世の中にたくさんのスポーツジムがありますが、「長続きしない」「痩せない」などの不満があり、ダイソンの場合は、「吸引力が弱い」「吸引力が長続きしない」といった不満がユーザーにあることに目をつけて、USPが考えられています。
3.独自性
マーケット内で見たときに他にはない自社特有の個性があり唯一無二であるか?が重要になります。ふだん営業がクライアントやユーザーにどんなトークで説明しているか、自分が友人に勧めるとしたら何て言うか?などを考えてみるのも良いかと思います。
他社の広告クリエイティブを集めてみて、キャッチコピーやセールスポイント、グラフィックなども調査してみるのも良いでしょう。
ぼくら人材業界で見るとコモディティ化がハンパない・・・おもしろくない・・・と思ってしまうのですが、長年A・Bテストをやってきた競合たちの結果でもあるんですよね。この常識を打ち破り新たな価値を提供したいと考えています。チャレンジャーであり、リスキーではあるのですが、勝てれば独占できる可能性も出てきます。ひねくれた僕はどうしても他社のマネが嫌いなんで・・苦労します。(笑)
四現象を使って考えてみる
さて実際にやってみたいのですが、今回は、こちらのフレームワークを使ってみましょう。
まずは、便益(ベネフィット)を洗い出してみる。また以前に行ったUXリサーチやインタビューも再度確認して、ユーザーの評価してくれた点や不満や不安などもピックアップしてみる。※「共感マップ」シートを使うと整理し易いよ。
次は当社の事業を例にまとめてみました。
次は、他社も含めてエージェントサービスを使ったことがある人の評価ポイントを洗い出してみるます。
などなどはあげられました。
これらをフレームにいれていくと、他社も同じように訴求しているポイントがあり被ります。コモディティ化しているんですね。「クリエイター・デザイナー専門」をUSPにするには、それなりの実績や認知が必要かと思いました。「専門性」はメリットであって、それによってユーザーにとってどんなベネフィットがあるのかを提示しなくてはいけない。
有名タレントが「IT転職なら〇〇〇」とかいうだけの、バックグランドが見えないような「あ~〇〇って俳優がやってるCMのでしょ?」みたいな認知の仕方はやりたくない。
というわけで、独自性・便益が伴っている「元クリエイターが立ち上げたエージェント」「年間6000ものTV番組やゲームソフト、Webサイト、Webアプリなどのクリエイティブやコンテンツの制作や開発を行っている企業」「クリエイターが活躍できる企業や求人を提案できる」という点は、他社が真似できない部分となり、独自性の高い体験価値を提供でき、ベネフィットがあるといった、プロダクトアイディアのバックグラウンドにできそうです。ただ、どちらも無形資産で情緒的なものなのでユーザーに伝える難しさはあると思いますが、それがブランド認知だと考えています。
今度は、UXリサーチ結果をみてみる。当社の知名度からするとどうしても大手やTVCMをやっている企業の2番手になることが多いのですが、他社エージェントを使った際の不安・不満には専門性が低いが故に起きている体験が多いように感じます。やはりクリエイティブ領域の転職者は専門性を求めていると再認識。
となれば、今回はこの課題に向き合ったクリエイティブで勝負してみよう!
コミュニケーションアイディアを考える
「寄り添う・伴走する(クリエイターファースト文化)」と「専門性(モノづくりを知っている)」といった僕らの強みから得られるベネフィットと、市場の背景(有名エージェントにとりあえず相談する)を考慮してコミュニケーションアイディアを考えてみた結果「セカンドオピニオン」といった言葉に強みがありそうだと思いました。
「転職クリエイターのセカンドオピニオンとしてもう一度話を聞かせてほしい」というコピーもありかと。
今回は、UXリサーチから得たUGCをクリエイティブでも使ってみました。
そしてランディングページとの関係性を強化するようにファーストビューについても、広告クリエイティブのアンサーを表記しました。
競合他社が打ち出しているような「年収アップ」「副業OK」「非公開求人」のようなコモディティ化された訴求とは別の切り口の広告クリエイティブになりました。あとはユーザー(転職者)が共感してくれて、自分の課題解決をこのエージェントだったらしてくれるのでは・・・?という期待を持ってもらえるか・・・ですね。
ぼくらのUSPは、まだまだ磨き途中です。
勝ち筋を見つけるためには、これらプロセスを何度も繰り返して精度をあげていくしかありません。HIGH-FIVEから転職実績やエージェントの個性をもっともっと配信していければUSPを育てていくことができると考えています。
どんな施策を考えるにせよ、USPが種となり最も重要なプロセスだと考えています。まずは自社と向き合ってUSPを探してみてください。
またね!