だからあなたの想いは伝わらない「マーケティングって何?」
こんにちは、「はいふぁい」編集部です。
Webディレクター・マーケティングなどを行っているクリーク・アンド・リバー社シニアディレクター「アベ」と、フリーランスWebデザイナー・エンジニア「ケン」が、会社じゃ話せないホンネや実体験から得られたノウハウ&教訓をお伝えしていきます!
皆さんが普段目にしている広告。実はあなたのために作られていることは知っていましたか?心に刺さっていなかったらその広告は失敗。今回は「マーケティングって何?」から意外とマーケティングは身近なものだということ、最後にその心得をご紹介します。
マーケティングって何?
ア:まず、皆さんの思うマーケティングって何ですか?
ケ:マーケティングってこう、何か広いじゃないですか、意味が。
一概にマーケティングって言ってもなんか、人それぞれ定義が違うような気がして。
ア:マーケターさんの間でもよくこういう議論になるんですよね。僕にとっては”コミュニケーションスキル”みたいな考え方になるかもしれないです。「伝えたいことをいかに効率よく、分りやすく、伝えられるか」みたいな。デザイナーさんとかクリエイターさんが普段使うマーケティングも、Webサイトやデザイン物を通じて行うコミュニケーションスキルに近いんじゃないですか。
編:なるほど。
ターゲットによって施策を変える
ア:広告は、そもそもコミュニケーションのツールですものね。一人の人とコミュニケーションを取るのか、はたまた一万人・・・何千万人という単位なのか。マーケティング施策が変わってきますよね。
でもそういうことを理解したり、仕組みが分かってくると日常のコミュニケーションで使えたりしますよね。みんな気が付かないところでやってるんじゃないかな?
ケ:知らず知らずのうちにやってるケースもありますよね。
ア:やってますよね。「初めて会う人」とかでも、おのずとやってるはずなんですよ。知れば知るほどその人との話の内容が変わってきますし、精度も上がってくる。アウトプットする情報も変化するわけじゃないですか。というのがマーケティングスキルなのかな?と。
意識して使ったりすることありません?ケンさんの場合だとこないだ行ったスナックでの選曲とかそうですよね。
ケ:確かに言われてみればそうですね。相手の年代を把握してその年代の人にヒットしそうな選曲をしているので・・・マーケティングしてますね(笑)。
ア:そう。マーケティングが失敗するとスベるってやつですよね?(笑)
ケ:そうです(笑)
ケ:僕が思うところとしては、マーケティングって事前知識ってとても重要じゃないですか。そんな簡単にできるものじゃないなって思います。アベさんのお仕事の様子を見てて思うんですが、アベさんが間違っていると、その後の施策も全て間違うというか・・・。
でも、アベさんだから皆信じてついていくというのはあると思うんですよ。全社マーケティングとかそうで、その人の方向性が間違うと全員の方向性が間違うという現象が起こるので、マーケティングってそれくらい重大なことだと思うんです。
優秀なマーケッターさんじゃないと、一緒にお仕事出来ないなって思っちゃいます。最近、「未経験でもマーケッターになれる!」とかっていう広告が多いですよね。「何もない人が何をマーケティングできるの?」って思っちゃいます。
研修終わりに街でナンパさせられる!?
ア:シーンによって異なってくるんでしょうね。15年以上前の話だからいいかな。広告代理店のセミナーに参加したことがあるのですが、ナンパを例に話をしてましたね。
編:その文脈でいくとキャッチもありますよね。
ア:そうそう。今じゃできないと思う(笑)。どんな言葉をかけていって、最終的にどうやって心を動かすか、とか。当時は、まだコンプライアンスとかそんな厳しくない時代だったので、「研修終わりにさっそく街でナンパしてこい」みたいな・・・時代だね(笑)
編:最近、3パターンの”キャッチ”に遭いました。一つ目は船橋にて。「あの~今働かれている女性にアンケート取っているんですけど、一分で終わるんですけど、ご協力いただけないですか?」と声をかけられたパターン。二つ目は明治神宮前にて。「すみませ~ん、私美容師なんですけどちょっとお話良いですか?」と聞かれ、「はい、これからちょうど美容院行くところです!」と答えたら「あっすみませんでした」と言われたパターン。三つ目は「すみませ〜ん、ちょっとアンケート良いですか?原宿はよく来ますか?」と声を掛けられ「いえ年に1回来るか来ないかですね」と答えると「あっ分かりました~」と言われたパターン。
大体この質問パターンでその声をかけてきた人が何をしようとしていたのか分かった気がします。
ケ:キャッチと言えば、新橋の飲み屋街。あそこ、めっちゃ人いません?
ア:いるね!
ケ:半端ないですよね。
編:私はあまりないのですが、男性は(話しかけられることが)多いでしょうね。
マーケティングとはお客様へのラブレター
ア:マーケティングって恋愛にもよく例えられますよね。広告文を書くときとか「相手にラブレターを書くように書きなさい。そこまで落とし込んで相手のことを考えて、文章を書かないと、相手の心は動かせない」って言われました。企画書もそうですね。
編:あーなるほど。そうですね、テンプレとか使いまわしの文章ってすぐにバレちゃいますよね。
マーケティングの中にWebマーケティング、デジタルマーケティングなど様々な領域が混在していると思うんですが、領域が変わることで対策が変化したりしますか?
ア:考え方として、基本的にはこれまでお話ししてきたことと同じだと思っています。手法は違うと思いますけどね。デジタルマーケティングなのか、リアルマーケティングなのか、手紙なのか、直接会いに行くのか・・・いろいろある中で、「伝えたい人に一番届く方法で伝えていく」というのがマーケティングだと思います。
編:そういった意味では相手のことをターゲティングして、把握していかないと玉砕するわけですね。
ア:そうそう。全然欲しくもないプレゼントをクリスマスにもらったって、嬉しくもなんともないじゃないですか。
一同:(笑)。
編:人が多いところに行ってとにかくチラシを大量配布したり、片っ端から通行人に声をかけてみたり、”数打ちゃ当たる精神”でやってる人もたくさんいますよね。
ア:それも一つのマーケティング手法かもしれないですね。外れてもいいから確率論でいくっていう。
ケ:今までのインタビューの中で一番ムズいテーマですね、今回。
ア:あっ、そう?「マーケティング」っていうと難しく聞こえちゃうんだよね。
顧客満足度の為には、お客さんの目に見えない気持ちにも気づくべし
ケ:お客さんにとって自分でも気づいてないことってあると思っていて、例えばお金を出すのはお客さんなので、どれだけこちらが良いデザインだと思っていてもそれを説得できなければ没になっちゃいますよね。
お客さんが思っていることをデザインで表すことが、僕たちの仕事だと思うので、常に先方が考えているものを常に凌駕するデザインを提供しなきゃダメだなと思っています。これは僕が一番気を付けていることです。
ア:いい!めっちゃいいですね。
ケ:マーケティングと呼べるのか、僕の心得みたいなものですね。とりわけデザインは正解がないのでそこがまた面白いところでもあり、辛いところでもあるっていう。
ア:お客さんが気づいていないところに気づくとか、マーケティングで言うところの「インサイト」になるかな。こちらが気づいてあげて、察してあげるっていう。
ケ:それができる・できないでだいぶ変わってくると思うんですよね。言われた事だけやっている人と、そうでない人と。同じデザイナーとして差が出そうですけどね。
ア:そういう意味だとケンさんは僕の事も “マーケティング”してるはずなんですよ。
ケ:確かに!そうですねぇ~2021年は一番アベさんのことを “マーケティングしていた”かもしれませんねぇ。
編:知らず知らずのうちにお互いのことを調査し合っているものなのかもしれませんね(笑)
ケ:そうですね、マーケティングはデザイン関係なく、もっと身近なものなのだと思いました!
編:日常の身近な例に例えていただいて、とても分かりやすかったです!お二人共、本日もありがとうございました!
ア&ケ:ありがとうございました!
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