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PMは「なんとなく」も重視?上手くいくプロジェクトの条件は「雰囲気+エビデンス」

はじめに

全部読むと"集客できる"Webサイトが作れる――。そんな記事を目指して。
成功しているクリエイターの実例を通じて、クリエイターの考え方や技術についての知識をお伝えしていきます。

【執筆クリエイター】
デザイナー・エンジニア・広告セールスマネージャー
株式会社エニィ代表取締役
阿萬 真紀 
デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。透き通った心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。

“売れる”“人が集まる”Webサイトを考えるうえでは、なぜ集客できるのかという根拠が重要であり、そのための仮説や情報設計は欠かせません。だからこそ、Webサイト制作のPMを務める場合は、カスタマージャーニーマップなどのフレームワークを使ってシナリオ設計するケースが多いでしょう。当然、そうしたフレームワークは不可欠ですが、それだけで上手くいくとも限らないのがWebサイト制作の難しいところです。

では、Webサイト制作のPMを務めるうえで何を意識すべきでしょうか。その答えは、「メンバーの意思統一」です。多くのプロジェクトで情報共有や共通認識を持つための取り組みがなされていますが、メンバー間で考えがバラバラの場合は上手くいかないことが多いかもしれません。時に「なんとなくプロジェクトの雰囲気が良い」「このメンバーなら良いWebサイトが作れそう」というスピリチュアルな一面にも注目することをおすすめします。

◆スポーツを例にとると分かりやすい「雰囲気」「流れ」の重要性

たとえば、運気や信仰などというスピリチュアルに関する話をすると、「そうした非科学的なものは信じたくない」という方もいるでしょう。もちろん、データやエビデンスといった確実な条件を整備することがビジネスの成功においては不可欠ですが、多くの人が関わる仕事はステークホルダーたちの感情抜きにはなし得ません。つまり、人の感情や心理面がビジネスの成否にも大きく関わってくるということです。

そうした感情や心理面の影響がもっとも分かりやすいのが「スポーツの世界」ではないでしょうか。スポーツでは、時に実力差を大きく跳ね返すような番狂わせが起きることがあります。過去の対戦成績などのデータなど一切関係なく、会場の雰囲気や試合の流れの変化によって予想外の結果になることも珍しくありません。

チームスポーツ経験者であれば、「流れが悪く押し切られて負けてしまった」「格上の相手にチーム一丸で挑み勝利を収められた」という経験を一度か二度はしたことがあるでしょう。Web制作におけるプロジェクトでも、「雰囲気」や「流れ」に関して通じる面はあります。「腕利きのクリエイターが集結しているのに嚙み合わない」「経験は浅いが、メンバーが一致団結して顧客満足を勝ち取れた」など、実力ではなく一枚岩になれるかどうかが成否を分けるシーンが必ずあるはずです。

◆飛行機はみんなの想いが1つになるからこそ飛ぶ?

「雰囲気」「流れ」といった言葉で説明するとスピリチュアルな印象が強くなってしまいがちですが、「意思統一」「目的意識」という言葉で考えるとビジネスに置き換えても違和感がないはずです。成功するプロジェクトは、関わるメンバーが同じ絵を描けているケースが多いでしょう。全員が「なんかいけるかも」と思えるプロジェクトは、大半の人が「上手くいく気がしない」と考えているプロジェクトよりも成功率が高まると考えられます。「上手くいきそうだな」という感覚を大事にし、研ぎ澄ませることもPMの重要な役割です。

私の母はCAだったのですが、私が子どもの頃に「なぜ飛行機は飛ぶの?」という質問を投げかけた時があります。私は空気抵抗や物理に関する回答を期待していたのですが、母からは「みんなの想いが1つになるから飛ぶのよ」という答えが返ってきました。

理屈だけで考えるのではなく、関わる人の想いを大切にすることもPMの務めなんだよ」という意味合いで今では理解することができるようになりました。確かに1機の飛行機が飛ぶまでには、整備士が機械的なトラブルがないかをチェックして、CAが利用者の安全に十分注意して、パイロットが安全に操縦することで大前提として求められます。「関わるメンバーの意思統一」は何か大きなことを成し遂げるうえでの大前提と言えるのです。

◆PMは「なんとなく」に「定量的なエビデンス」を加えるべし

先ほどの飛行機の話に関連した内容になりますが、ロケットを飛ばす際に10人メンバーがいたとします。そのうちの9人が「飛ぶかも」と思っていて、1人の学者だけが「飛ばない」と言っていたとしたら、その学者が飛ぶための数式(エビデンス)を用意すればその問題が解消するのです。

つまり、ビジネスにおいても「なんとなく上手くいきそう」というポジティブなプロジェクトがあったとすれば、それに対して徹底的に定量的なエビデンスをプラスして裏付けをとることで、雰囲気的ななんとなくが確信に変わるのだと考えています。Webサイト制作における裏付けのためには、1万人へのアンケートなどUXリーチによる外的要因の調査や、カスタマージャーニーマップ・SWOT分析など内的要因の調査の実施をおすすめします。

PMとしてWebサイト制作の進行管理をするうえでは、ポジティブにプロジェクトに取り組み、メンバー間で意思統一を果たすことで良い気運が高まって大成するという一連の勝ちパターンがあります。そして、そうしたなんとなく上手くいきそうな雰囲気を、明確な根拠で裏付けすることができると、PMとしても他のプロジェクトでの再現性も望めるでしょう。次回はWeb制作における定量的なエビデンス施策の1つであるカスタマージャーニーをどう行うべきかについて触れていきます。

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