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デザイナーとして成長するために!社内転身した敏腕デザイナーのマインドセット

◆このnoteに書いてあること
①価値観を変えるきっかけになったのはブランディングやディレクター領域への関わり
②デザインする対象を限定しなければ、デザインを軸にさまざまな領域にチャレンジできる
③デザイナーがより活躍すれば、日本社会はより正しく価値を伝えられる

はじめに

今回の執筆クリエイターは、ブランディングテクノロジー株式会社にてクリエイティブディレクター/ブランドデザイナーを務められている松井 寛志さん。今回は松井さんがデザイナーとして意識している、コンセプトや体験など対象を絞らずにデザインする理由をご説明いただきます。

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僕は昔からデザイナーとしてクリエイティブの価値を表現することにチャレンジしてきました。デザイナー関連のことがとにかく好きで、コミュニティもそうですし、醸し出す世界観もすごく気に入っています。ただ、Webデザイナーとしてサイト制作などを主に請け負っていたころは、年収を上げられるイメージをあまり持っていなかったのが本音です。そんな僕の価値観を変えるきっかけになったのがブランディングやディレクター領域への関わりでした。
 
どんなに高い能力や優れたセンスを有していたとしても、いちデザイナーにできることには限度があります。でもディレクター領域に踏み込み、ブランディング案件を含めてデザインする対象を広げることで、視点が変わりました。今回は僕がデザイナーとして意識している、コンセプトや体験など対象を絞らずにデザインする理由を説明します。

◆社名変更に伴う「リブランディングはワクワクするやりがいのある仕事だった」

僕はデザインする対象を限定しないことを心がけています。そうすれば、デザインを軸にさまざまな領域にチャレンジできるからです。ブランディングもそうしたチャレンジの1つでした。ロゴやVI(ビジュアルアイデンティティ)開発に携わることで、得られる充実感がありました。たとえば、Webサイトのデザインであれば、バナーが時期によって差し変わるようにずっと残るほうが稀なんですよね。大成建設さんの「地図に残る仕事。」のようにずっと企業のアイデンティティとして残るブランディングは非常に魅力的な仕事です。
 
noteでも全行程を公開したように、自分が勤める会社のリブランディングに関われたのは一種の驚きがありました。他社のブランディングに携われるだけでも光栄なのに、自分たちのアイデンティティを自らの手で作り上げられることを誇らしく感じたのを覚えています。本当にワクワクするし、やりがいがある仕事でした。
 
一方、セルフブランディングとも言えるので、自分たちを客観的に見るのは想像以上に難しかったです。ステークホルダーも多く、現場で細かい摩擦が起きるなど調整は常に大変でした。完成されたものを再構築するリブランディングは、本当に体力がいる仕事です。今は自分たちが作ったブランドをさらに育てるフェーズに入っています。ブランディングは作って終わりではなく、そこで働く人材と一緒に成長させるのが本質なので、今後も広報活動を通してブランドに付加価値を加えていきたいです。

◆デザイナーがより活躍すれば、日本社会はより正しく価値を伝えられる

ブランディングにおいてデザイナーの役割が重要であるように、ビジネスにおいてデザインは価値をより正しく伝えるうえで不可欠だと言えます。特に“ものづくり”で栄えた国である日本は、機能的な価値を作るのが伝統的に得意です。しかし、せっかく良い物を作っているのに、伝える技術やデザイン、コミュニケーションが不得意なことで損をしている企業もたくさんあります。
 
だからこそ、ビジネスにデザイナーがより深く介入し、機能的価値に情緒的価値での伝え方をプラスしてあげられれば、より世界的な称賛を浴びることができると考えています。日本のものづくりの価値や力を正しく伝えられるようになれば、もっと魅力的に社会になるはずです。デザイナーというのは、そうした社会貢献に一役買うことができる職種だと思っています。
 
社会を変えるデザインを実践するためには、目の前のタスクだけを、目の前の案件だけをデザインするという近視眼的な視点では難しいように感じます。俯瞰的に見ることで、実は意味がないと思っていた作業にもつながりがあったり、自分を高めてくれたりする要素があるかもしれません。だからこそ、いろいろな価値観を踏まえてデザインをするためには、対象を1つに絞るのではなく、常にいろんな新しいジャンルに挑戦したいと考えています。デザイナーの関わる枠組みや価値をより高めることで、社会に貢献することが自分の目標です。

◆デザイナーはあるあるで一緒に盛り上がれる楽しい人種

僕がなぜデザイナーが好きかと言うと、すごく楽しい人種だと思うからです。たとえば、電車に乗った際の中吊り広告を見ると「デザインの細部(マージンおかしい)」とか思ってしまったり、プロダクトに対しても余白が気になったりします。デザイナーとしての自分の美学を持っている人が多くて、非常に癖のある飽きない人材が多いと感じています。フォントを見ると、何のフォントかを当てたがる人などは典型的なデザイナー人材だと、みなさんも共感してくれるかもしれません(笑)。
 
僕は得意不得意がはっきりしているデザイナーが好きです。一緒に働くならそういう人材だと嬉しいですね。たとえば、デザイン上手いけどコミュニケーションが下手とかの個性がある人だったり、マーケティングの部署にはいない個性的なファッションで癖があったりする輪郭のハッキリしている人と働くのは面白いですね。だからこそ、今新しい道を目指しているWebデザイナーの方も、より自分の個性を大切にしてもらえればなと思います。
 
最後になりますが、Webデザイナーの方にあえて言いたいアドバイスが、「デザイン以外のことにも手を挙げること」の大切さです。デザイナーがクオリティを追求するのは普通のことであり、良いことですが、視野は狭くなりがちになります。組織のマネジメントをしたり、原価管理したり、僕もいろんなことをやってきました。簡単な見出しやコピーを書いてみるなどでもOKです。そうした取り組みは、デザイナーとしての新たな気づきや視野が広がるきっかけになるかもしれません。

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