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どんぴしゃ世代オタクが、セーラームーンミュージアムで我を失った話

その日、わたしたちから「ハァ……」「カワイイ……」以外の語彙は消えた。あと諭吉も消えた。

編集部ゆうと申します。IT・Web系クリエイター専門の転職支援サービス「HIGH-FIVE」のコンテンツディレクターをしています。

本記事は、どんぴしゃ世代オタクのわたしがセーラームーンミュージアムを訪れ、今の価値観で改めてこの作品に触れたことで令和の今も愛され続ける理由を再発見したお話です。


どんぴしゃ世代オタク、セラムンミュージアムで我を失う

道中から外観がもう見えていて、入口で待ち合わせていた友人と合流した瞬間「ほあ~~~~~~~~~~~(泣)(泣)(泣)」とお互い変な声が出た。同じような挙動の、おそらく同世代の女性たちがたくさんいた。

道中見えてたやつ(神)

わたしはまさに、セーラームーン“ど”世代だ。

初めてセーラームーンを目にした日の衝撃は今でも覚えている。いつものように「きんぎょ注意報」を観ようとチャンネルを合わせたら、全く知らない新しいアニメが流れ出したあの日。まだ幼かったため、前週のきんぎょ注意報が最終回だったことすら理解できていなかった。

きっかけはそんなものだし、なんならきんぎょ注意報が見れないことに少しがっかりしたはずなのに、幼いわたしが初見のセーラームーンに夢中になるのに時間はかからなかった。なんなら初回放送を見終えた直後から大興奮していた。

泣き虫なのにお調子者でおっちょこちょい(死語)の女の子・うさぎちゃんが、ある日突然人語を話す黒猫ルナと出会い、導かれて、セーラー戦士へと変身し妖魔と戦う。「こんなの無理だよおこわいよお」と泣きながらも、友人を助けるために変身の呪文を唱える。

「ムーンプリズムパワー!メイクアップ!」
戦うために変身するための呪文がメイクアップ、しかもムーンでプリズム、そんなオシャレで可愛いことある?これから命賭けて戦うのに?

変身ブローチから出てくる無数のリボンが全身を包み、コスチュームへと変化するあの演出。ピンク色のロングブーツに三日月のピアス。赤い宝石があしらわれたおでこのティアラは、敵を切り裂く武器に変化する。意味はわかっていなかったが、キラキラしたカッコいい横文字だらけの必殺技にも憧れた。

極めつけにうさぎちゃんは、最前線で戦う戦士でありながら前世は月の王国のお姫様で、地球の王子様と恋に落ちるときた。月の!お姫様が!地球の!王子様と!もう完敗。女児の好きな要素が詰まりすぎている。最高。拍手。セラムンオタク女児爆誕。

他にも、わたしが「号泣」という単語を知るきっかけになったうさぎちゃんの友人なるちゃんとダークキングダム四天王ネフライトのあの歴史に残る最高エピソードとか、セーラームーン初代最終回の子供向けアニメにしてはなかなかハードかつ胸熱な展開とか、人間の男の子に恋をしたルナが一晩だけ人間の女の子になって彼に会いに行く映画とか、

大好きなルナが一夜だけ人間になる映画『かぐや姫の恋人』の展示もあった

そんな次から次へと溢れてくる当時の思い出とセーラームーンへの想いを、友人と共にオタク特有の早口でうわごとのように呟きながら、数時間かけてミュージアムを巡った。

大人になった今観ても武内直子先生の描く世界観は本当にお洒落で可愛くて、構図もペンのタッチも色使いも全く色褪せることがなく、むしろ最先端の可愛さで輝いていて、あと本当にめちゃくちゃ絵がうまくて(当たり前)わたしたちから「ハァ……」「カワイイ……」以外の語彙は消えた。あと諭吉も消えた(物販)。

時間が足りずコラボカフェには入れなかった

今思えば、セーラームーンは当時から多様性に満ちた作品だった


ドジで泣き虫で、周りが「も~~~!!」って言いながらも
ついつい手を差し伸べちゃうような主人公でもいい。
男の子より女の子のほうが強くてもいい。
戦闘よりサポートがメインの男の子がいてもいい。
月のお姫様が地球の王子様と恋に落ちたっていい。
そのお姫様自身が戦士として最前線で戦っていてもいい。
女の子同士で友情以上の気持ちをもっていてもいい。
男の子が男の子に恋をしてもいい。

男の子のような女の子がいてもいいし、
女の子のような男の子がいてもいいし、
そもそも本当の性別が何かなんてどうでもいい。

正解は人の数だけあって、かたちはどうであれ「愛と正義」が大切なのだということが描かれた作品だった(と記憶している)。

今でこそそうした価値観がZ世代を中心に定着しつつあるが、連載・放送当時はまだまだ珍しかったはずだ。

これらのテーマを、多感な時期どころか物心すらついていない幼少期から刷り込まれてきていたのはすごくラッキーだったなと、今改めて思う。価値観が多様化した令和のメイン働き世代であるわたしたちの胸の中にはいつも、さまざまな可能性や価値観を受け入れ、泣き虫で弱い自分も受け入れて、みんなのために強くなっていくうさぎちゃんがいるのだ。

傷ついても怖くても何度だって立ち上がるうさぎちゃんは、自分にとって、いやおそらくほとんどの同世代女子にとって憧れであり、それでいて第二の自分であり、「だから、ピッと凛々しく」という“乙女のポリシー“をいつまでも抱かせ続けてくれる永遠のミューズなんだと思う。

まったくアニメ放送開始から30年たった今も当時と変わらずここまでの思いを抱かせ続ける作品を生み出すってどんな天才の所業……武内先生、いや武内神、有難うございます…………今からでも完全版コミック揃えようかな………

そして、当時のわたしがセーラームーンに出会うことができたのはあの日あの枠でTVアニメが放送されたから。ありがとう東映アニメーション(愛をこめて敬称略)………今でもたまに初代の最終回を観返しては泣いてます……………劇場版Eternal公開楽しみです……………………

こんなふうに最高の作品に触れるたび、クリエイターさんのキャリア支援に関わる仕事をしている身として「クリエイターって良いなあ」と改めて身が引き締まります。明日からもがんばろう。

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