
どんぴしゃ世代オタクが再発見したセーラームーンの「多様性」と「包容力」のお話【編集部ゆうのつれづれ】
念願のセーラームーンミュージアムに行ってきました……………(大号泣)
道中から外観がもう見えていて、入口で待ち合わせていた友人と合流した瞬間「ほああああああああああああああ;;;;;;;」とお互い変な声が出た。同じような挙動の、おそらく同世代の女性たちがたくさんいた。

わたしはまさに、セーラームーン“ど”世代だ。
初めてセーラームーンを目にした日の衝撃は今でも覚えている。いつものようにきんぎょ注意報(懐)を観ようとチャンネルを合わせたら、全く知らない新しいアニメが流れ出したあの日(まだ幼かったため前週のきんぎょ注意報が最終回だったことを理解できていなかった)。
きっかけはそんなものだし、なんならきんぎょ注意報が見れないことに少しがっかりしたはずなのに、幼いわたしが初見のセーラームーンに夢中になるのに時間はかからなかった。なんなら初回放送を見終えた直後から大興奮していた。何これ!何これ!!何これ!!!
泣き虫なのにお調子者でおっちょこちょい(死語)の女の子・うさぎちゃんが、ある日突然人語を話す黒猫ルナと出会い、導かれて、セーラー戦士へと変身し妖魔と戦う。「こんなの無理だよおこわいよお」と泣きながらも、友人を助けるために変身の呪文を唱える。ムーンプリズムパワ~~~~~~~~~~!メ~~~~~~~~~~~~イクアップ!もう1000000000000億万回聞いているので本家セーラームーンと全く同じ間とイントネーションで叫べる。(使いどころのない特技)
変身ッ!とか、デュワッ!とか、だありゃ!!(※悟空)とかじゃないのだ。戦うために変身するための呪文が「メイクアップ」、しかもムーンでプリズムて。そんなオシャレで可愛いことある???????これから命賭けて戦うのに??????????????
変身ブローチから出てくる無数のリボンが全身を包み、コスチュームへと変化するあの表現。ピンク色のロングブーツに三日月のピアス。赤い宝石があしらわれたおでこのティアラは、敵を切り裂く武器にもなる。キラキラしたカッコいい横文字だらけの必殺技(あんま意味はわかってなかった)。極めつけに主人公は最前線で戦う戦士でありながら前世は月の王国のお姫様で、地球の王子様と恋に落ちるときたもんだ。月のお姫様が!!!地球の王子様と!!!!!!もう完敗。好きな要素が詰まりすぎている。最高。拍手。セラムンオタク女児爆誕。
他にも、わたしが「号泣」っていう単語を知るきっかけになったうさぎちゃんの友人なるちゃんとダークキングダム四天王ネフライトのあの歴史に残る最高エピソードとか(母に「ごうきゅうってなに?」と聞いたのを覚えている)セーラームーン初代最終回の子供向けアニメにしてはなかなかハードかつ胸熱な展開とか、人間の男の子に恋をしたルナが一晩だけ人間の女の子になって彼に会いに行く映画とか(今思い出しても泣きそう)ウラヌスとネプチューンとかフィッシュアイとか、もうここにはあげきれないくらいの想い出があるのだが、

そんな次から次へと溢れてくる当時の思い出とセーラームーンへの想いをオタク特有の早口でうわごとのように呟きながら(そしてそれをリベロのごとく全て拾っては同じ熱量で2,3エピソードを足して投げ返してくれる最高の友達に感謝しながら)数時間かけてミュージアムを巡った。
大人になった今観ても武内直子先生の描く世界観は本当にお洒落で可愛くて、構図もペンのタッチも色使いも全く色褪せることがなくてむしろ最先端の可愛さで輝いていて、あと本当にめちゃくちゃ絵がうまくて(当たり前)わたしたちから「ハァ……」「カワイイ……」「天才かよ………」以外の語彙は消えた。あと諭吉も消えた(物販)

今思えば、セーラームーンは当時から多様性に満ちた作品だった。
ドジで泣き虫で、周りが「も~~~!!」って言いながらついつい手を差し伸べちゃうような主人公でもいい。男の子より女の子のほうが強くてもいい。戦闘よりサポートがメインの男の子がいてもいい。月のお姫様が地球の王子様と恋に落ちたっていい。そのお姫様自身が戦士として最前線で戦っていてもいい。女の子同士で友情以上の気持ちをもっていてもいい。男の子が男の子に恋をしてもいい。男の子のような女の子がいてもいいし、女の子のような男の子がいてもいいし、そもそも本当の性別が何かなんてどうでもいい。
正解は人の数だけあって、かたちはどうであれ「愛と正義」が大切なのだということが描かれた作品だった(と記憶している)。
これらのテーマを、多感な時期どころか物心すらついていない幼少期から刷り込まれてきていたのはすごくラッキーだったなと、今改めて思う。価値観が多様化した令和のメイン働き世代であるわたしたちの胸の中にはいつも、さまざまな可能性や価値観を受け入れ、泣き虫で弱い自分も受け入れて、みんなのために強くなっていくうさぎちゃんがいるのだ。
傷ついても怖くても何度だって立ち上がるうさぎちゃんは、自分にとって、いやおそらくほとんどの同世代女子にとって憧れであり、それでいて第二の自分であり、「だから、ピッと凛々しく」という“乙女のポリシー“をいつまでも抱かせ続けてくれる永遠のミューズなんだと思う。
乙女のポリシーだいすき今でもたまに歌っちゃう
(多分公式だと思うんだけど公式じゃなかったら消しますすみません……)
まったくアニメ放送開始から30年たった今も当時と変わらずここまでの思いを抱かせ続ける作品を生み出すってどんな天才の所業や……武内先生、いや武内神、ありがとう…………今からでも完全版コミック揃えようかな………
そして、当時のわたしがセーラームーンに出会うことができたのはあの日あの枠でTVアニメが放送されたから。ありがとう東映アニメーション(愛をこめて敬称略)………今でもたまに初代の最終回を観返しては泣いてます……………劇場版Eternal公開楽しみです……………………
※東映アニメーションといえばここで突然の宣伝なのですが、そんな今のわたしのもはや生みの親といっても過言ではない(?)東映アニメーションで活躍する現役のアニメプロデューサーさんに直接インタビューさせていただくという入社早々の神展開が起こりました。東映アニメーションで働くということ、そして最新作の映画『THE FIRST SLAM DUNK』についてもお話いただいています。THE・職人…………!!!!という感じの、とても胸熱なインタビューだったので、その熱量が届けばいいなと思います。カミングスーン!
は~~~~~~クリエイターっていいなあ;;;;明日からもがんばろ。
今週のアニメ最新話感想BEST3
※某アイドルグループ(わたしの最推し)に事件が起きたことによる衝撃はだいぶ回復してきたのですが、引き続きアニメをリアルタイムで追う心の余裕がないため今回も休み(アイナナだけアマプラ配信ないからリアルで観てる)
つづく