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メディア運用担当者必見!ブランディング視点で考えるKPI・KGIとは

◆このnoteに書いてあること
①メディアの目標や指標は1つに集約することを徹底
②社外のパートナーであっても社内的な目標の連携を意識する
③定量的な指標の他にも定性的な定点調査を実施する

はじめに

今回の執筆クリエイターは、LIFULL STORIESの編集長を務められている田中めぐみさん。LIFULLの企業ブランディングにおける「LIFULL STORIES」でのKPI・KGIの設定についてお話いただきます。

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当社が運用する「LIFULL STORIES」は、インタビューコンテンツを中心としたメディアなので、SEO対策を主目的とした記事とは異なり、何が良かったかという要因分析において難しい面があります。もちろん、掲載した1記事ずつ数値もまめにチェックしていますが、ヒット記事がなぜ多くの方に読まれたかなどの結果については常に議論の対象となっています。でもだからこそ、多角的な視点での検証やメディアの目標や指標を明確に設定することが不可欠です。
 
『“メディアの人格”を表す「企業姿勢の発信」!「誰に何を伝えたいか」の視点が鍵』の記事でも紹介したように、「LIFULL STORIES」は「あらゆるLIFEを、FULLに。」というコーポレートメッセージに込めた想いを広く深く浸透させるためのメディアという立ち位置になります。そのため、ブランディング視点でKPI・KGIなどの指標を設定しています。

◆メディアの目標や指標は1つに集約することを徹底

メディア運用担当者の中には、目標設定において複数の数値目標を置いている方もいるかもしれません。確認すべき数値はたくさんありますが、PVもUUもセッション数、SNSのフォロワー数もすべてを見ようとすると、追い切れなくなってしまうこともあるでしょう。そのため、「LIFULL STORIES」ではKPI・KGIの設定は1つということを徹底しています。KPIに関しては非アドによるセッション数が対象です。
 
判断基準を明確にすることで運営上の余計な心配事を減らしてくれる効果もあります。編集部内の会話についても、KPI・KGI関連に限定することを意識しています。「LIFULL STORIES」の場合、最終ゴール(KGI)はやはりLIFULLの企業ブランディングにつなげる点については変わりません。企業ブランディングに寄与することが「LIFULL STORIES」が立ち上がった理由でもあります。その点はブレませんし、今後も変わることはないでしょう。
 
一方で、KPIは変化します。施策を継続するうえで改善点や強化すべき点は変わっていくものです。つまり、CSF(Critical Success Fact/重要成功要因)が変われば、KPIは変化するものと考えています。企業ブランディングへの寄与というKGIに向けて指標と向き合い、CSFが変化すればKPIを調整するという動きです。

◆“自分事”で協力してくれるパートナーの重要性とは

LIFULL STORIES」の特徴としては、取材協力などを筆頭に外部パートナーの力を借りながら運用している点です。パートナーがいないとコンテンツを作れないので、社外のパートナーであっても社内的な目標の連携を意識しています。パートナーに流入数などの課題意識を分かりやすく伝えるために、必要最低限の人数での編集会議を毎月設定しています。
 
関係者間で共通認識を醸成することが大切です。そのため、ミニマムでの会議に切り替えましたが、おかげで「田中さんが困っていることがわかる」という状態を作り出せていると思います。これを意識したことで外部パートナーとの連携も以前に比べて格段にスムーズになったかと思います。「LIFULL STORIES」というメディアをともに制作する同志なので、以心伝心状態であることを理想としていますね。
 
そう考える理由としては、メディア運用に関して他人事になってしまうとモチベーションが下がってしまうと思うからです。地道な施策の積み重ねが重要なメディア運用は、自分事で取り組まないとモチベーションが続かないと思います。他人事になった瞬間に仕事ってつまらなくなりますよね。なので、関わってくれている方々には他人事と思われないように、私が率先して自分自身の素を出すようにしています。こういったコミュニケーションが関係者のLIFULL理解につながっていれば本望です。

◆「議論が広がることがメディアとしては大正解」

LIFULL STORIES」では、定量的な指標の他にも定性的な定点調査を実施しています。インタビュー記事の場合は、1つひとつの記事の内容を突き詰めて分析しても、他の記事には分析結果が当てはまらないことも珍しくありません。1つの記事でも人によって別の意見や見方があると思いますし、それこそ「多様な意見を聞きたい」というスタンスでいます。結局はブランディングの価値観でもある多様な視点が重要なのです。
 
むしろ解釈が割れるのは多様性においてすごく良いことだと考えています。多様性を重んじる「LIFULL STORIES」にとっては、「議論が広がることは大正解」だと言えるでしょう。
たとえば、「結婚しなくても幸せ」というテーマの時はすごく反響がありました。ただ、「何でこんなに反響があったのか?」と考えた際に、LIFULLが行った価値観調査において、「世の中的に結婚とか非婚とかの結婚観にも変化の兆しがある」という話も議題に上がりました。多様性を追求することで、そうした世の中の動向にも気づくことができるのは、メディア運営における楽しい一面だと思っています。

【執筆クリエイター】
LIFULL STORIES編集長
田中 めぐみ 
2008年入社以降、コーポレートコミュニケーション、企業ブランド戦略立案・実施に従事。2017年のLIFULL社名変更プロジェクトメンバーとして活動し、2018年にオウンドメディア「LIFULL STORIES」を立ち上げる。オウンドメディアを通して、「あらゆるLIFEを、FULLに。」というLIFULLのコーポレートメッセージや企業姿勢を伝えることを目的としている。「LIFULL STORIES」のコンセプトは、「しなきゃ、なんてない。」

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