「特撮ヒーロー」の立ち居振舞いから学ぶ、すぐれたWebクリエイターになるために大切なこと
幼少期から特撮の某ヒーローが好きで、テレビでよく観ていました。息子の影響で今も再び観るようになったのですが、ヒーローとしての立ち振る舞いの要素というのは、WebディレクターやWebデザイナーなど、Webクリエイターにとってもすごく大切なことだと改めて気づかされました。
人から評価されるためには、表方の「ヒーロー」として、みんなのために圧倒的なパフォーマンスを発揮することが必要です。こういった存在は、ソリューションが具体的にはわかりづらい現代社会において「わかりやすさ」があり、差別化につながるためとても重要だと感じます。
この記事では「ヒーローとしての立ち振る舞いとは?」「なぜWebクリエイターにとって大切なのか?」ということを深掘りして解説していきます。
特撮ヒーローから学ぶWebクリエイターの流儀
幼少期にオンタイムで観ていたのは、バイクとキックで有名な某ヒーローです。
当時は深く考えることもなく、とにかく「カッコイイ」という理由だけでハマっていました。その後のタイトルは観なくなっていましたが、最近まで中野に住んでいたこともあり、中野ブロードウェイを週末子供と散歩していると、そのヒーローのグッズがたくさん並んでいて自然と目に触れることが多かったです。そのうち息子が興味をもつようになりまして、私も影響されて再び好きになりました。
平成に入ってからの某ヒーローは見た目がかなり斬新で、敵のメインキャラクターも近代的なモチーフであり、かなりインパクトの強い俳優さんが演じているケースも多く、おすすめです。
サブスクで過去のタイトルも観るようになってどんどん詳しくなりましたが、視聴する中でクリエイターとしての流儀を学ぶこともすごく多いです。一見関係がないようにも思えるヒーローとクリエイター。それではどんな流儀が共通するのか、ここからお話していきます。
流儀1:正義をもつ。誰かのために「絶対に負けられない」という気持ち
人を蹴落として勝つというスタイルはビジネスにおいて卑怯とは言い難いのですが、やはり敵をつくることも多く、卑怯だと感じる人がいて当然だと思います。ただ、私自身の美学としては、人を蹴落とすことを避けたい性分です。
「正義」という存在は、現代社会にとってすごく安心材料になるなと感じることが多いです。すごく青くさいのかもしれませんが、「自分のためじゃなくて誰かを守るために勝つ」「負けられないから勝つ」というポリシーは、仕事をするうえでも大切なモチベーションだと思いますし、正義や美学の欠けた間違ったモチベーションでは、長期的には続かないと思います。
流儀2:登場したら何かしてくれるという期待
ロジカルベースで物事を進めていると、究極論「損をする可能性があるから、危険だから、何もしない」が正解になるケースも往々にしてあると思います。
特に現在のコロナ禍のような情勢が見えづらい中でグローバリゼーションが進んでいる状況では、こわばって動けなくなるマインドも理解できます。ただ、ヒーローという存在はピンチのときにこそ現れて、「とにかく何とかする」というバイタリティーをもっています。
みんなの希望になるような象徴的な存在は、社会に必要です。また、プロジェクトを推進していくうえではさまざまな壁が現れますが、前に進める推進力がないと関係者のモチベーションも下がりかねません。私自身、ヒーローを見習ってピンチのときも手際良く仕上げて、“圧倒的に何かをする”というマインドを大切にしています。
流儀3:ヒーロー自身が抱える葛藤との向き合い方
ヒーローは何でもできてしまうからこそ、周囲の期待は高まります。特撮は周囲の期待に葛藤する人間ドラマも見所であり、勉強になる要素のひとつです。
高まった期待に対して、とにかく明るく応え続ける天才肌のヒーローもいれば、ストレスと向き合い続けたことで一変してしまう、まさかの展開になったヒーローもいます。
裏側ではいろんな葛藤を抱えながらも、苦言・中傷を恐れず表舞台でプレイすることを選び続ける姿勢の素晴らしさは、一人のクリエイターとしてとても感銘を受けます。
現代は“ヒーロー”としてのWebクリエイターが求められている
冒頭でも述べたように、現代社会ではソリューションが具体的にわかりづらくなっています。例えばWebサイトの制作だけではなく、キャンペーンや動画などを複合的に組み合わせたソリューションでクライアントの課題を解決するケースも多々あり、「具体的にコレが解決に導いた」ということが説明しづらくなっているからです。
複雑化した課題に対しては多角的に取り組む必要がある
ワンアクション・ワンサクセスというわかりやすい構造では、どんどん数値化しづらくなってきているかと思います。
D2Cブランドの案件を数社携わらせていただいている中でも、1商品に対してのLPの種類は、期間ごとに変更し検証するため複数用意しています。導線設計も複数想定してキャンペーンを開発しており、チームとして全容設計に力を入れて進めています。そのため、従来型の大きく広い「マス」を打ち上げて一気に刈り取り、というメソッドを効かせるのが難しい場合も多いです。
もっと面で捉える、点で捉えるというプロセスを地道にこだわってやることがすごく重要で、調査・分析するうえでも多角的な見方をすることが基本となっていると感じます。
課題が複雑化しているからこそ「ヒーロー」が求められる
このようなソリューションが具体的にわかりづらい現代社会においては、“クリエイターへの信頼”がひとつの指針になります。簡単に言ってしまえば、「この人にお願いすれば間違いない!」という信頼感や期待感のようなものです。
この信頼感や期待感とは「過去に同じ事例を経験している」ということではなく、ヒーローのように課題を解決する力が備わっているかどうか、ということになります。
こちらもD2Cブランドを例に挙げますと、新しい商品を立ち上げる際に、以前同じような業種の商品を扱ったとしても、私が携わったからといって同じような収益につながるとは限りません。前例があったとしても、それぞれに対して正しくチューニングする能力がないと単純に横展開するのは難しいのかなと思います。
類似製品の過去事例の経験よりも、どんな案件でも一定のクオリティを維持するためのメソッドや必殺技があるヒーロー(クリエイター)が活躍できると考えています。
それでは、そのメソッドや必殺技はどうすれば身につけられるのでしょうか? 最後に、必殺技の開発方法や自分が本来もっている必殺技に気づく方法をご紹介したいと思います。
ヒーローとして「必殺技」を磨く!
特撮ヒーローの特徴のひとつとして「必殺技」が挙げられます。やはりどんなクリエイターでも、わかりやすい得意分野をもっていることはすごく重要。また、ここぞというタイミングで出す(アウトプットする)からこそ活きるケースも多いです。
必殺技を常に磨き、そして新しい必殺技の開発を怠らなければ、強敵が現れたときの打開策となるはずです。ここではWebデザイナー向けの必殺技の磨き方や開発方法を取り上げていきます。
必殺技を“磨く”方法
得意分野(必殺技)を磨くうえでおすすめしたい方法としては――特にWebデザイナーさんがヒーローとしての存在感をメキメキと発揮していくために――コミュニケーション面の強化を図れると良いと思います。
私は駆け出し時期に小さな公募に参加してみたり、友達とグループ展を開いたりして、自分の作品をアピール・説明することを積極的に行ってきました。仕事以外でクリエイトする機会を設けるのはもちろん、自分のアウトプットをわかってもらうための努力もすごく大切です。
最近ではイベントを主催したり、呼ばれたイベントで登壇したりすることで、新たな課題が見つかることも多いです。そのため、呼ばれたら純粋な気持ちで取り組んで、正義のポリシーと反しなければなるべく断らないようにもしています。気軽に取り組めるものとしては、LT(ライトニングトーク)に参加するのもおすすめです。
必殺技を“開発”する方法
キャリアチェンジ採用をした方などによくお伝えしているのですが、一見デザインとは関係ないと思える業種の経験や趣味などは、中期的な強み(必殺技、得意分野)につながる部分が大きいと感じています。
例を挙げますと、次のようなケースがあります。
以上のことから、Webデザイナーだからといってほかの分野に手を出してはいけないと思いません。
WebデザイナーでありながらもWebプログラマーのスキルを伸ばしたり、コピーライティングのスキルを伸ばしたりすることや、好きなカルチャーや偉人など、デザインと掛け算できる要素はみなさんそれぞれにもっているはずです。
新たな必殺技は、やる気さえあればいつでも生み出せると思っています。ぜひ、チャレンジしてみてください!