「私たちほどクリエイターを知ろうとするエージェントはそういない」異業種から人材業界へ転身した、愛され系エージェントの想いとは
みなさま、聞いてください。じつはこのnote、取材内容をそのまま公開するか迷ったんです……!
こんにちは。IT/Web業界のクリエイター専門転職エージェント「HIGH-FIVE」の編集部かなです。はじめに、このnoteがうまれたきっかけから(すこし長くなってしまいますが)お話しさせてください。
転職エージェントについてのコンテンツ、って難しい
世の中にはたくさんの転職エージェントサービスがあります。最近ではテレビCMやWeb広告、電車のつり広告で目にしない日はないほどです。
それだけに「結局どこも同じじゃない?」と思われる方も少なくないのでは、と感じています。
ですがわたしは、転職エージェントはみんな同じじゃない、と考えています。
ここまで読んで「宣伝ね」と思われた方が、絶対にいらっしゃると思います……!そうなんです、転職エージェントについての記事ってどうしても宣伝(ビジネス)ぽくなってしまって、なかなか読んでもらえないんです。難しい。泣
どうしたら私たちの価値と、他社との違いを伝えられるか考えた結果、当社で働くエージェントたちにインタビューを行い、仕事以外の裏の顔やおもしろエピソードをnoteでコンテンツ化しよう!
と考え、この企画がうまれました。
さらには、よく目にする「当社に依頼したらこんなメリットがあります」ばかり書くのではなく、人生においての大きな決断に伴走する人間がどんな人かをお伝えできる、そんな内容を目指しました。
note公開に踏み切ったのは、エージェントのまっすぐな想いがあったから
大切な1回目のインタビュイーに選んだのは、転職エージェント・近藤 晋一郎(こんどう しんいちろう) 。メンバー屈指の、クリエイティブへの深い理解とデザイナーへのリスペクトがあり、求職者から熱い信頼をほこる彼に出演を依頼しました。
それに関西出身であることから(?)社内の笑い声の中心に必ずいるし、1000人以上いる社員のなかで、最も顔が広いと言っても過言ではない彼に、あらためて聴いてみたいことはたくさんありました。
ですが、インタビューを行い、執筆をすすめ、編集作業を経て思ったのは、
「あれ、こんな真面目な人だったっけ……?」ということ。
もちろん近藤さんが真面目でないわけはないのです。とても良い取材でしたし、インタビューとしてじゅうぶん読み応えがある内容にもなりました。
だけど、このままnoteで公開して、おもしろいだろうか。彼の魅力をさらに伝えるため、もっと何かできないか……と、編集部として、すこし悩みました。
そんな中、原稿を読み直していると、インタビューの後半にあったある言葉に目がとまりました。
取材中の彼の声が蘇り、あらためて、その言葉に、どきっとしました。
クリエイター専門転職エージェントと謳っているのだから、もちろん当たり前のことだろうと思われるかもしれません。ですが、この言葉を発するには、おおきな自信と覚悟がないとできないことだと思うんです。
私も同じ部署で働く一員でありながら、エージェントとしての彼のそのまっすぐな姿勢に感動してしまいました。
この時、“おもしろいコンテンツ“を無理に追求しなくていい。仲間のエージェントたちが真摯にクリエイターと向き合い、悩み考えていることをそのまま伝えていきたい。
そう思い、納得し、noteの公開に踏み切ったのでした。彼を知る周囲のメンバーからのコメントも添えて、人物像がさらに伝わる内容になったと思います。
……インタビュー記事の前文とは思えないほど長くなってしまいましたが、、このnoteは「転職エージェントサービス利用を検討されている方」「どの転職エージェントサービスにしようか迷われている方」にとって役立つ内容になっています。ぜひ最後までお読みいただけたらうれしいです。
徹底的なヒアリングと現場との連携。出向時代の「苦い経験」が今につながる
――近藤さんの前職は飛行機整備士だったそうですね!なぜ異業種の人材業界に転身されたのでしょうか?
会社の組織再編をきっかけに、「マニュアルに忠実に行う仕事」から「自分で考えて進める仕事」にチャレンジしたいと思い、この道を選びました。
それに、私は綿密な計画を立てるよりも目の前にある「ちょっとおもしろそう」を大切にキャリアを選ぶタイプなんです。異業種に転向する不安はあったものの、新しいことに対する期待のほうが勝っていました。
転職してからは、ゲーム業界に特化した部署に配属され、派遣や制作受託などを約3年間担当していました。
――その後、入社4年目のタイミングで外部企業への出向が決まったそうですね。
はい。デザイナー職の採用代行としてIT企業へ出向したのですが、当初はなんか上手くいかないな……と。
それもそのはずで、当時の私はエージェントの経験のみで採用の経験はありませんでした。それなのに「クライアントである企業からお金をいただいている以上、プロの採用代行として成果を出さなければ」と一人で意気込んでしまって。
求職者の書類選考では、クライアントが提示した「キーワードとのマッチング」だけを重視して進めたため、企業と求職者の双方が本当に求めているものと向き合えておらず、迷惑をかけることもありました。
「なんか上手くいかない」の「なんか」が少しだけイメージできるようになった一番の要因は、クライアント先の現場の方とランチに行くようになってからですかね。
いまの業務の内容や組織のコンディションなどをフランクに聞ける機会が出来たことで一気に解像度が上がったので、それから出向先の方々とコミュニケーションをとるようになりました。そうして「現場と協力して採用に取り組む」という姿勢でのぞんだところ、徐々に成果が出はじめました。
7年間の出向では、企業側も採用にすごく悩み、考えていたのを目の当たりにして、表面上のマッチングだけでは上手くいかないということを学び、今の転職エージェントとしての仕事にとても役立っています。
デザイナー職の“幅”と“奥行き”への理解でよりよいマッチングを
――現在は出向から戻り、数多くのIT/Web業界で働くクリエイター(特にデザイナー)の転職支援をされています。近藤さんが、仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
近藤 出向時代から、「各企業が定義するデザイン職」への理解を深めることを大切にしてきました。「デザインができる人」と一口に言っても企業側の捉え方はさまざまなので、そこを細部まで把握していなければ、求職者であるクリエイターが描く未来も実現できなくなってしまいます。
だからこそ、エージェントは採用する企業に代わって、職務内容や仕事の進め方、組織の過去・現在・未来の構想までを理解することが必要なんですよね。
行うことはシンプルで、具体的にはヒアリングをしたり、継続的にコミュニケーションを取ることにつきると思いますが、「組織やメンバー構成」「外部採用で叶えたいことや解決したい課題」「そのために必要なソフト・ハード両面のスキル」「入社後のキャリアステップ」など、聞きたいことは山ほどありますね。
企業も求職者も十人十色だからこそ、マニュアルに忠実に行うような進め方ではうまくいきません。「自分で考えて進める仕事がしたい!」と異業種からクリエイターエージェントに飛び込んできた自分だからこそ、今、目の前にいる人と向き合い、その時々でのベストをみんなで一緒に探すことを大切にしています。
――「デザイン職への理解」は、求職者であるクリエイターを支援する際にも必要な要素ですよね。
近藤 そう思います。デザイナーのなかには、ディレクションや編集のような業務経験があるものの「すべての内容を正確に言語化して職務経歴書に書くのは難しい、書きにくい」という方もいらっしゃいます。
でも、企業が本当に知りたい情報はまさにそこなんじゃないかなと!デザインが完成するまでの裏側やその人の動き方、人との関わり方など、求職者が言葉にしにくいスキルを企業に伝えることで相互の理解が深まり、結果としてミスマッチ防止にもつながります。
そして、このデザイナー職の“幅”と“奥行き”を知らなければ、クリエイターご自身では伝わり切らない可能性がある「デザインに付随するスキルの言語化」をサポートすることはできません。
企業が求める人材を。クリエイターが本当に活躍できる環境を。そのどちらも実現する転職支援を行うために、日々デザイン職への理解を深めることに尽力しています。
――「HIGH-FIVE転職支援サービス」のなかで、近藤さんがクリエイターにおすすめするサービスはありますか?
近藤 「ポートフォリオ添削サービス」へのご要望が多く、デザインへの探求心がある当社ならではのサービスでもあるかと思います。
とはいえ、私たちはテンプレートに当てはめれば完成する「画一的なポートフォリオ」を提供したいわけではないので、あくまでも「対話」しながらご本人が表現しきれていない強みを引き出すことを心がけています。
求職者のチャレンジを「そっと」後押ししたい
――当社のサービス名「HIGH-FIVE」は、ハイタッチの意味。近藤さんが求職者の方と、思わずHIGE-FIVEしたくなった転職支援のエピソードがあれば教えてください!
近藤 つい最近のできごとでいうと、半年間支援したデザイナーさんが無事に転職活動を終えて、新しい職場からの帰り道にメッセージを送ってくれた内容には、胸がジーンとなりました。
その方は、グラフィックデザインのスキルをお持ちで、今後はWebまわりの経験も積める企業への転職を望まれていました。ただ、実績が少ないことがネックとなり、希望職種への内定取得に苦戦されていて。途中、「Webは諦めようか」とご相談いただいた時期もあったんです。
将来のキャリアを考えて、求職者さんには「もう少し粘ってみませんか?」と言葉をかけながら、企業へのヒアリングも続け、最終的には「グラフィックを中心としつつWeb制作も拡充したい」というクライアントとのマッチングが叶いました。
ご本人のメールからは「チャレンジしてよかった」という気持ちが滲み出ていましたし、企業にもご満足いただけたので、いい支援ができたと心から嬉しくなりましたね。
――求職者一人ひとりに長く伴走し続けるには大きなエネルギーが必要ですよね。何が近藤さんの原動力になっているのでしょうか?
近藤 私が求職者の方に向き合い続けるのは、転職後もご自身の力を発揮し続けてほしいと思うからです。
もちろん転職が決まれば私も嬉しいですし、「転職そのもの」に重きを置く方には確実かつ短期間で紹介するケースもあります。一方で、聞こえのいい言葉を並べて安易に転職を促すのは、その方の将来のためにはならないとも考えていて。
「長い視点で見たときに、その後のキャリアにどれだけ良い影響を与えられるか」を自分自身にも常に問うようにしています。
……と格好つけたことを言いましたが。やはり自分が支援した方が当社を通して転職を成功されると、より嬉しいなと思っています。
クリエイティブへの理解を深め、クリエイターに信頼されるエージェント集団に
――近藤さんのこれからの目標を教えてください。
近藤 やはり、クリエイター専門の転職エージェントとして最初に思い浮かべてもらえる存在になりたいですね。手前味噌ですが、自分がデザイナーだったら転職支援はクリークに頼もうと思えるんですよね。ひいき目ももちろんあると思いますが、私たちほどクリエイティブやクリエイターを知ろうとするエージェントはそう多くはないと思うんです。
流れの早いクリエイティブ領域の情報をキャッチアップするため、当社のエージェントは社員同士でナレッジを共有したり、社内のデザイン勉強会に参加したりしながら、常に業界への知識をアップデートしています。
私のような十年選手、もしくはそれ以上在籍するエージェントも現状に甘んじず、クリエイティブへの理解を愚直に深めようとしている点は、転職を考えているクリエイターの方々の安心感にもつながると信じています。
――最後に、転職活動中、もしくは転職を検討しているクリエイターに向けてメッセージをお願いします!
近藤 一生懸命転職活動に取り組むクリエイターさんにこそ「あまり気負い過ぎないで」とお伝えしたいです。
キャリア形成は、想定通りにはいかないもの。だからこそ、少しだけ視点をずらして「一歩先」の業務に挑戦してみるのがおすすめです。目の前の仕事の視座を一段階上げるだけで、キャリアは横にも上にも広がる可能性がありますから。
もし、自分で視点を変えるのが難しければ、私たちのようなエージェントに頼っていただくのもひとつです。皆さまと対話しながら、エージェントとして最大限力を尽くします。「とりあえず悩んでます」で構わないので、転職に迷った際の「セカンドオピニオン」として相談いただければ嬉しいです!
クリエイター転職支援の経験は豊富にありながらも、柔らかな物腰と包容力から、「気のおけない相談相手」という印象を持たれる機会も多い近藤。
HIGH-FIVE転職エージェントには、ほかにも個性豊かでプロフェッショナルなエージェントが多数在籍しています。そんな彼らの魅力をこれからもお伝えしますので、次回の更新を乞うご期待ください!
制作:ふたり広報(ライター:稲葉めぐみ / 編集:おのまり)
監修:HIGH-FIVE編集部