見出し画像

デザインのマネジメントにおける苦楽とは?CDOの役割とデザイナーのキャリアラダー

◆このnoteに書いてあること
①CDOは戦略に対してプロダクトの方針を決めたり、デザインをどう活かせばサービスや会社がより成長するかを常に考えている
②マネジメントにおいて欠かせないのはメンバーそれぞれの特徴を活かしたうえで、成長を手助けしてあげられるプランを設計すること

はじめに

今回の執筆クリエイターは、MIL株式会社にてCDO/UXデザイナー/PdMを務められている阪本 大賀さん。今回はCDOとしての"デザインをマネジメントする"役割についてと自社で取り組まれている"キャリアラダー"についてご紹介いただきます。

**********************************************************************************

制作会社のWebデザイナーから始まった自分のキャリアですが、広告代理店のアートディレクター、現職でのCDO(Chief Design Officer)と、転職や身を置く環境によって必要とされるスキルも変化しました。「デザインを会社の成長にどうつなげるか」という視点で考えた際に、環境や境遇によって求められるものが異なるという理解でいます。特にプレイヤーとしてのデザイナーからマネジメントする立場になると、その違いは顕著です。
 
私も社内に多くのデザイナーがいた広告代理店の時代と、MILの代表に声をかけてもらい「1人目デザイナー」となった際は大きな転機となりました。自分の作るデザインを評価してくれる人や先輩のデザイナーがいない状態になり、1人でデザインに向き合う環境に変わりました。今回はCDOとしてのデザインをマネジメントする役割についてと自社で取り組んでいるキャリアラダーについて紹介します。

◆評価してくれる対象がユーザーに変化した「1人目デザイナー」の船出

スタートアップの会社が「1人目デザイナー」をいつ採用するかは、非常に重要な選択となります。良いプロダクトを作るには良いエンジニアやデザイナーは不可欠なので、マッチする人材を見つけられるかどうかは会社の浮沈の鍵を握ります。そんな重要ポストに、今の代表から声をかけていただいたことは非常に光栄なことです。しかし、実際に「1人目デザイナー」としての船出は急激な変化に戸惑いもありました。デザインを評価してくれる対象が周囲からいなくなり、とことんユーザーに向き合っていく必要があったからです。
 
UXに向き合う専門の組織を立ち上げるなど新しい取り組みをしたり、自分の失敗を内省したりするなど、仕事への取り組み方も変わった気がします。作り出す側には、作るものに対しての責任があると考えています。デザインであれば使ってくれるユーザーを困らせることがあってはいけないので、上流のコンセプト設計やエラーのない体験を作ることに取り組むべきだと今の会社で学びました。
 
デザイナーにおいて、プレイヤーと管理職の違いとしては役割や視点が挙げられます。私の場合、50人規模の会社ですが、CDOとして代表と近いところでデザインの仕事をしています。戦略に対してプロダクトの方針を決めたり、デザインをどう活かせばサービスや会社がより成長するかを常に考えていたりするのは、いちプレイヤーのデザイナーとは異なる点です。

◆メンバーの育成・表現は「個性・らしさの尊重」を重視

マネジメントにおいて欠かせないのはメンバーの育成ですが、MILでは1人ひとりの個性を大事にしています。MILに所属するデザイナーにも1人ひとりの得意分野があり、個性があります。それぞれの特徴を活かしたうえで、成長を手助けしてあげられる(「キャリアにはしごをかける=キャリアラダー」の)プランを設計することが不可欠だと考えています。
 
そのうえでチームとしては、デザインにどういう姿勢で取り組むかを明確に定義することが求められます。デザイナーとしては作るものに責任を持つべきであり、自分たちがユーザーにきちんと向き合うべきだということは、メンバーに常に言っていることです。「責任ある自由」を求め、「自由に向き合う」カルチャーを会社としては大切にしています。
 
そんな個性を尊重する会社において、特徴的な取り組みが「MIL SHAPE」です。MILで働く人の「スナオ」「ポジティブ」「ユニーク」といった気質を表現したビジュアルコミュニケーションであり、それぞれのメンバーのカラーや形が異なります。動画サービスにちなんで再生マークの三角や録画マークの丸などからシェイプを作っています。

◆ビジネスにおけるデザインの重要性!2つの投資価値とは

自分のメンバーにはよく話しているのですが、デザインのビジネスにおける貢献度はすごく高いと思っています。つまり、会社の成長にデザインは不可欠な要素です。私は経営や成果におけるデザインの有用性として「エラーのない体験」「他社との差別化」の2つがあると思います。
 
プロダクトを作っている会社としては、体験のエラーがなく、スムーズに利用いただけることが大前提です。そうしたユーザーの体験を踏まえて結果を出すのがデザイナーの役割としては非常に重要だと思います。
 
ビジネスにおいては、他社との差別化を実現するうえでもデザインの果たす役割は大きいと考えます。「見た目の美しさ」や「人の心を動かすこと」に寄与できるのもデザインの魅力です。自分たちの製品やサービスを選んでもらうきっかけを作ることも、デザインの重要な役割だと考えます。
 
ビジネス成果も含めて、とことん自身のデザインに向き合えるデザイナーが市場でもすごくニーズがあるのだと思います。自分もそういうデザイナーの方と働きたいですし、より個性を伸ばしてあげたいという気持ちになりますね。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

HIGH-FIVEではクリエイターへ向けた転職お役立ち情報をお届けしています!